「友達からBeRealやってる?って聞かれたけど、何それ?」「インスタとどう違うの?」——そんな疑問を持つ人が急増しています。BeReal(ビーリアル)は、2020年にフランスで生まれたSNSで、日本では2023年初頭から急速に普及し、2025年時点でDAU(日間アクティブユーザー数)が世界No.1になるほど日本で爆発的に浸透しています。Instagramが「映え」を競い、TikTokが「バズり」を求めるのとは真逆の思想で設計されたこのSNSは、なぜZ世代の心を掴んだのか。本記事では、BeRealの意味・仕組み・主要SNSとの違い・最新機能・企業活用まで、最新データをもとに徹底解説します。
BeReal(ビーリアル)とは?
BeReal(ビーリアル)とは、フランスで2020年にリリースされた写真共有SNSアプリです。アプリ名は「Be Real=リアルであれ」を意味し、コンセプトは「ありのままの日常をリアルタイムで友達とシェアする」こと。加工なし・フィルターなし・映え演出なし——という徹底したリアル主義が特徴の「新感覚SNS」です。
BeRealの根本的なコンセプトとして、Instagramに対抗するために設計されているのと同時に、SNS中毒や使いすぎを抑えるために設計されています。マーケティング資料では「BeRealは利用者を有名人にすることはない」とも明記されており、フォロワー数を競うのではなく、本当の友達と本当の自分をつなぐことを目指しています。
BeRealの会社情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| サービス開始 | 2020年(フランス) |
| 創業者 | アレクシス・バラード(元GoPro社員) |
| 本社 | フランス・パリ |
| 現在の親会社 | Voodoo SAS(フランスのゲーム会社・2024年6月に5億ユーロで買収) |
| 世界累計ダウンロード数 | 1億2,000万超(2024年7月時点) |
| 世界DAU | 4,000万(2025年4月時点) |
| 日本DAU | 320万人(2024年12月時点)。日本が世界No.1 |
| 日本MAU | 450万人(2025年3月時点) |
2024年6月にはフランスのゲーム会社であるVoodoo SASが買収しました。Voodooはコンシューマー向けアプリの開発を行っており、アプリのダウンロード数ランキングではGoogle、Metaに次ぐ3位につけている世界一のゲーム会社です。中核事業として、製品開発およびユーザー数の増加に向けて、今後も投資を行うことを発表しており、BeRealのさらなる成長が期待されています。
BeRealの仕組み——「ランダム通知×2分×前後同時撮影」
BeRealの使い方は非常にシンプルですが、他のSNSとは根本的に異なる仕組みを持っています。
基本的な投稿の流れ
- 1日1回・ランダムな時刻に通知が届く——何時に来るかは誰にも予測できません。早朝の場合も、深夜の場合もあります
- 通知から2分以内にアプリを開く——2分という制限時間がBeReal最大のゲーム性です
- インカメラ(自分の顔)とアウトカメラ(周囲の景色)を同時に撮影して投稿——2枚が1つの投稿として表示されます
- 投稿すると、友達の投稿がぼかしなしで見られる——自分が投稿しない限り、友達の投稿は見られません
2分を超過しても投稿はできますが、その場合「○時間遅れ・△回の再撮影」という情報が他のユーザーに表示されます。再撮影の回数まで可視化されるため、完璧に見せようとして何度も撮り直した事実がバレてしまう仕組みです。
投稿の特殊ルール
- フィルター・加工機能は一切なし——撮った瞬間そのままが投稿されます
- 過去の写真は使えない——ライブラリからの投稿は不可能
- 投稿してからの閲覧が解放される——受動的な「見るだけ」ができない設計
- 24時間で自動的に流れる——次の通知が来ると前日の投稿は見られなくなる
- フォロワー数の概念がない——「友達」という相互承認の関係のみ
BeRealのユーザーデータ——Z世代比率83%の圧倒的な若さ
| データ項目 | 数値 | 出典・時点 |
|---|---|---|
| 日本DAU(日間アクティブユーザー) | 320万人(世界No.1) | 2024年12月 |
| 日本MAU(月間アクティブユーザー) | 450万人 | 2025年3月 |
| 日本累計ダウンロード数 | 700万超 | 2024年7月 |
| Z世代(14〜27歳)ユーザー比率 | 83%(一部資料では97%) | 2024年10月 |
| Z世代ユーザーの毎日投稿率 | 90% | 2024年10月 |
| 通知後2分以内にアプリ起動する割合 | 40% | BeReal公式媒体資料 |
| ヴァリューズ調査・成長率(2023〜2025年) | 937%増(ユーザー数113万人) | 2025年8月 |
| 世界DAU | 4,000万 | 2025年4月 |
特筆すべきは日本での圧倒的な存在感です。米国では2022年8月をピークにダウンロード数が下降傾向になっている一方で、日本では2023年1月ごろから人気に火がつきはじめて上昇トレンドとなっており、2023年7月以降はダウンロード数でトップとなっています。日本のApp StoreおよびGoogle Playのソーシャルネットワーキングジャンルの無料ダウンロードランキングで2023年以降トップ10の常連になっています。
BeReal vs Instagram vs TikTok——5つの根本的な違い
違い① 投稿のタイミング——「自分で決める」vs「通知が決める」
| SNS | 投稿タイミング | 意味 |
|---|---|---|
| 自分が好きな時に | 最も「映える」写真・瞬間を選んで投稿できる | |
| TikTok | 自分が好きな時に | 編集・エフェクトをかけた動画を好きなタイミングで |
| BeReal | ランダム通知が届いた瞬間 | 「今この瞬間」しか撮れない。準備・演出の余地ゼロ |
この違いが「BeRealを撮る」という行為をZ世代の日常コミュニケーションに組み込む最大の要因です。コムニコ社員が中高生にヒアリングしたところ、「BeRealを撮る」ことが友人とのコミュニケーションになっていると感じている人や、日記感覚で利用している人が多いようでした。
違い② 加工・編集——「盛れる」vs「盛れない」
InstagramにもTikTokにも豊富なフィルター・加工機能・美肌補正・背景変更などの機能があり、投稿前に何度でも編集できます。BeRealにはそのような機能が一切ありません。位置情報とキャプションを付けることはできますが、画像の編集やフィルターといった機能はないため、ありのままの様子を撮影して投稿することになります。
「盛れないSNS」という逆張りのコンセプトが、フィルタリングされた完璧な世界に疲れ始めたZ世代の心をつかんでいます。「Instagramのストーリーは必ずしもリアルタイムではないけれど、BeReal(ビーリアル)はその瞬間の自分の気持ちや行動を共有できる。離れていてもつながれる感覚」というユーザーの声がその本質を表しています。
違い③ フォロワー数——「公開の数字」vs「存在しない」
InstagramもTikTokもフォロワー数が公開されており、影響力の指標として機能します。フォロワー数を増やすことが「目的」になりやすく、コンテンツの質よりもバズりやすさを優先する投稿が生まれがちです。BeRealにはフォロワー数という概念がありません。友達は「相互承認」の関係のみで、一方的な「フォロー」はできない設計(ただしDiscover機能で一般公開投稿の閲覧は可能)です。
違い④ 投稿頻度——「無制限」vs「1日1回だけ」
InstragramやTikTokでは何度でも投稿できます。インフルエンサーは1日に複数投稿し、アルゴリズムを意識した戦略的な頻度で発信します。BeRealの基本は1日1投稿のみ。この制限が「SNSにかける時間の抑制」というコンセプトと直結しており、依存性の低いSNSとして設計されています。ただし2分以内の投稿に成功すると、その日のうちに追加投稿ができる仕様もあります。
違い⑤ 見る条件——「誰でも見られる」vs「自分が投稿しないと見られない」
InstagramもTikTokも、投稿しなくても他者のコンテンツを無制限に閲覧できます(いわゆる「ROM専」が可能)。BeRealは自分が投稿しない限り、友達の投稿が見られない設計になっています。友達のBeRealを見たければ自分もBeRealしなければならない——この相互性が高いエンゲージメント(毎日投稿率90%)を生み出しています。
BeRealの2026年最新機能——「シンプル」から「深い繋がり」へ進化中
最新のBeRealは、従来の1日1回リアルを共有するSNSという枠を超え、より使いやすく、友達とのコミュニケーションが深まる機能が追加されています。
① プロフィール機能の本格化
これからのBeRealで最も注目されているのが、ようやく実装された本格的なプロフィール機能です。これまでBeRealはリアル投稿が中心のシンプルなSNSだったため、プロフィールで自分を表す手段が限られていました。外向きのSNSではなく、身近な友達同士で使うBeRealらしい、プライバシーを保ちながら自己表現できる新機能として実装されました。
② 再シェア(リシェア)機能
友達の投稿を自分のフォロワー(友達)に共有できる再シェア機能が追加されました。従来のBeRealは「自分の投稿のみ」という閉鎖的な設計でしたが、この機能によってコミュニティの広がりが生まれやすくなっています。
③ RealMoji(リアルモジ)の強化
RealMojiとは、友達の投稿にリアクションする際に「自分の顔写真で絵文字を作る」独自機能です。文字ではなく「自分のリアルな表情」でリアクションするという、BeRealらしい体験として根強い人気があります。2026年のアップデートでこの機能がさらに強化され、表情の種類・表示の仕方が改善されました。
④ コメント機能の改善——メンション対応
コメント内で「@ユーザー名」を入力することで、友達を指定して話題を広げられる点が特に便利。友達同士が同じ投稿を見ながら会話できるため、その瞬間の空気感を共有するのに最適です。たとえば、誰かの旅行先の投稿を見て「@◯◯ ここ前に一緒に行ったよね」という使い方ができます。コメントは自分の投稿であればいつでも削除可能で、削除しても相手に通知されないため、気軽に会話を楽しめるようになりました。
⑤ BTS(ビハインド・ザ・シーン)機能
通常の前後カメラ同時撮影に加え、「撮影前後の短い動画」を記録してシェアできるBTS機能が追加されています。写真だけでは伝えられない「その前後の文脈」を共有でき、よりリアルな体験共有が可能になっています。
⑥ 連続投稿日数(ストリーク)機能
ユーザーが連続して投稿している日数を示すストリーク機能があり、投稿日数が5日以上連続したときにプロフィール横に炎のマークが現れます。炎のマークからは他のユーザーがあなたがアクティブであることを認識でき、つながりや競争などを促す効果を持っています。連続投稿が途切れた場合は炎のマークは消えるため、継続的な投稿を促進するゲーミフィケーション要素として機能しています。
⑦ RealPeople & RealBrands——企業・著名人向け公式機能
2024年2月から企業・著名人専用機能として「RealPeople and RealBrands」の提供が開始されました。いわゆる公式アカウント機能で、ブランドや著名人が「ありのまま」のコンテンツをBeRealスタイルで発信できます。
BeRealを使うとどうなる?——中高生・大学生のリアルな声
コムニコ社員が中高生にヒアリングしたところ、以下のような声が集まりました。
- 「BeRealを撮ることが友人との会話のネタになる」——通知が来たら「みんなで撮ろう」とその場でシェアするのが日常的な光景に
- 「日記感覚で使っている」——投稿した写真が自分の行動記録として積み上がっていく感覚
- 「インスタと違って頑張らなくていい」——映えを気にせず素の自分を投稿できる解放感
- 「友達が今何してるかリアルタイムでわかる」——離れていても「同じ時間を生きている感覚」が得られる
- 「投稿しないと友達のが見られないから、結局毎日投稿する」——相互性の仕組みが習慣化を後押し
また、大学生ユーザーのリアルな体験談として「Instagramのストーリーは必ずしもリアルタイムではないけれど、BeRealはその瞬間の自分の気持ちや行動を共有できる。離れていてもつながれる感覚。そして人が大切にする”共有”そのものが流行の理由なのだと思った」という声が印象的です。
BeRealが日本でヒットした3つの理由
理由① SNS疲れ・「映え」疲れへの反動
Instagram・TikTokを中心に「完璧な自分」を演出するコンテンツが溢れ返る中、Z世代の間では「SNS疲れ」「比較疲れ」が深刻化しています。BeRealの「盛れない」「加工できない」「1日1枚」という制約は、むしろSNS疲れした層にとっての「逃げ場」「息抜き」として機能しています。このシリーズで取り上げた「アテンションデトックス(SNSから意識的に距離を置く)」という2026年のトレンドとも完全に連動しています。
理由② ゲーム性が継続利用を促す
「いつ通知が来るかわからない」という不確実性は、心理学的に強い継続モチベーションを生みます。通知が届いたら2分以内に反応しなければならないというゲーム性が人気の要因になっているようです。連続投稿日数(ストリーク)の可視化もゲーミフィケーション的に機能しており、Z世代の90%が毎日投稿するという高いエンゲージメントの源泉になっています。
理由③ 「閉じた友達ネットワーク」の安心感
一般公開のInstagramやTikTokと違い、BeRealは基本的に「相互承認の友達のみ」が閲覧できる閉鎖的な空間です。見知らぬ人に見られる不安がなく、本当の友達だけに「本当の自分」をシェアできる安心感が、特に10代・学生層に支持されています。
BeRealの注意点——使い始める前に知っておくこと
① 位置情報は初期設定でオフを確認する
位置情報の共有をオンにすると、写真の投稿と同時に写真の撮影場所も共有されます。デフォルトの設定ではオフになっていますが、一度オンにするとオフにするまで位置情報が共有され続けますので、注意が必要です。自宅からの投稿など、場所を知られたくないシーンでは必ずオフを確認しましょう。
② 遅延投稿の記録は残る
2分を過ぎて投稿した場合、何分超過したのかが他のユーザーにわかるように表示されます。また再撮影の回数も表示されます。「頑張って映えようとした痕跡」が可視化されるため、BeRealでの見栄を張ることが難しい仕組みになっています。
③ 通知の時間帯は選べない
通知は日中に限らずランダムで、早朝や深夜の場合もあります。仕事中・授業中・就寝中に通知が来ることもあるため、スマートフォンの通知設定を自分のライフスタイルに合わせて調整することをおすすめします。
④ ミレニアル世代・上の世代には「使いづらさ」を感じる人も
社会人になってからBeRealを試した大学生のコメントとして「今後仕事が始まったら続けるかは分からない」という声があるように、1日1回の強制的なタイミングがワーキングライフと相性が悪いと感じる層もいます。通知がいつ来るかわからないという特性は、業務中に集中できない環境を作る可能性もあります。
企業・ブランドのBeReal活用——まだ競合が少ない「先行者優位」のSNS
BeRealは広告主・企業にとっても注目のプラットフォームです。
2024年7月に日本でBeReal広告の販売が本格開始され、電通グループのCARTA MARKETING FIRM・サイバーエージェントなど5社が広告の販売代理を手掛けています。日本国内最初の広告主はNetflixで、その後も各社が活用し始めています。
BeReal広告の特徴は、通常のユーザー投稿と同じ「リアル感あるフォーマット」で配信されることです。脚色のない写真や動画が投稿されるBeRealの世界観に、いかにも広告というクリエイティブは合わないとBeRealの経営陣は判断しており、そのため自然でリアルなクリエイティブが求められます。まだ競合が少ないという特徴があり、いち早く注力すれば他社との差別化を図れる可能性があります。
BeReal・Instagram・TikTok・X——主要SNS比較まとめ
| 項目 | BeReal | TikTok | X(旧Twitter) | |
|---|---|---|---|---|
| 主なコンテンツ | 無加工の写真(前後同時) | 写真・動画(加工あり) | 縦型短尺動画 | テキスト・画像・動画 |
| 投稿頻度 | 1日1回(通知連動) | 自由 | 自由 | 自由 |
| 加工・編集 | 不可 | 豊富なフィルター・編集 | 豊富なエフェクト | 軽微な編集のみ |
| フォロワー数の公開 | なし | あり | あり | あり |
| 閲覧の条件 | 自分も投稿が必要 | 誰でも閲覧可 | 誰でも閲覧可 | 誰でも閲覧可(鍵なし) |
| 主なユーザー層 | Z世代(14〜27歳)83% | 10〜40代全般 | 10〜30代中心 | 10〜40代全般 |
| 日本MAU | 450万人 | 4,230万人 | 2,000万人以上(推定) | 約6,000万人 |
| コンセプト | ありのままをリアルにシェア | 美しい瞬間を残す・発信 | エンタメ・トレンドを楽しむ | 情報発信・議論・交流 |
まとめ:BeRealは「SNSの新しい常識」を作りつつある
BeRealとは、「ランダム通知→2分以内に前後カメラで同時撮影→加工なしで投稿」というシンプルかつ革命的な仕組みで、SNSに「リアル」を取り戻そうとするフランス発のプラットフォームです。
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 定義 | 1日1回ランダム通知に応じて前後カメラで同時撮影・無加工投稿するリアル系SNS |
| 日本での特徴 | DAU世界No.1・MAU450万人・Z世代比率83%・成長率937% |
| Instagramとの最大の違い | 加工不可・投稿タイミングが通知依存・フォロワー数なし |
| TikTokとの最大の違い | 動画編集不可・1日1回制限・「見るだけ」不可 |
| 2026年の新機能 | プロフィール拡張・再シェア・RealMoji強化・メンションコメント |
| 注意点 | 位置情報の管理・遅延表示・通知タイミングの制御不能 |
| 企業活用 | 日本で広告開始・競合少ない先行者優位のSNS・リアル感あるクリエイティブが必須 |
「映え」「バズり」「フォロワー数」という旧来のSNSの価値観に疲れた人たちが求めていた「素の自分と友達がつながれる場所」——BeRealはその空白を鮮やかに埋めています。日本でのDAUが世界No.1という事実は、日本のZ世代が世界で最もBeRealの思想に共鳴していることを示しています。まだ使っていない方は、ぜひ1週間だけ試してみてください。
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