今月の特集   札幌の住まいと暮らしの情報誌「Sun Clover」vol.40

うどんの数だけ個性がある「ご当地うどん大全」

ご当地うどん横綱といえば、「うどん県」の呼び名でもすっかり有名になった香川の讃岐うどんですが、日本全国にはほかにも個性豊かなご当地うどんがあります。具もつゆも食べ方もさまざま、麺の形も十人十色ならぬ十饂飩(うどん)十色。一風変わった個性的なうどんに注目してみましょう!

ご当地うどん

うどんの豆知識

Q うどんはいつから食べられているの?

子どもからシニア世代まで、幅広い層に愛される国民食の一つ、うどん。その歴史は古く、奈良時代の遣唐使が伝えたという説や、平安時代に空海が中国から持ち帰ったという説も。うどんは漢字で書くと「饂飩」となり、文献の初出は南北朝時代(1336年~1392年)とされています。江戸時代には「うどん」「うんとん」などと呼ばれていました。

Q うどんとそうめん、ひやむぎの違いは?

日本農林規格では、乾麺の状態で太さ1.7mm以上のものをうどん、1.3mm以上1.7 mm未満をひやむぎ、1.3mm未満をそうめんと呼びます。例外もあり、秋田の稲庭うどんは1.7mmより細く、徳島の半田そうめんは1.3mmよりやや太いものが標準的で、ひやむぎを「細うどん」とも表示できます。生麺には、呼称に細かい規格はありません。

山形 ひっぱりうどん

納豆とサバ缶で栄養満点

ご当地うどん  納豆、玉子、サバの水煮(缶詰)を入れた小鉢に茹でたうどんを入れ、具やたれをからめて食べます。うどんは乾麺の細麺を使うのが一般的で、たれはめんつゆや納豆のたれ、しょうゆなどが使われます。元々は山形の山間部で冬の寒さの厳しい時期に備えた保存食として乾麺のうどんがあり、自家製の納豆やねぎをからめて食べていたとされています。サバ缶の山形県内での普及とともに、サバの水煮を加えるレシピが広まりました。

秋田 稲庭うどん

うどん界きっての美女顔

ご当地うどん  300年以上の歴史を持つとされる稲庭うどんは、稲庭村(現在の湯沢)発祥の手延べの干しうどん。江戸時代には秋田藩御用達となり、将軍家への献上品、諸大名への贈答品として使われていたようです。手間のかかる方法で丁寧に作られるためその分高額となり、地元でも一般人の口には入らない時代が戦後まで長く続きました。現在は、茹でて冷水でしめた麺をねじって美しく盛り、つゆにつけていただくのが一般的です。

群馬 ひもかわうどん

あまりに広い幅でびっくり!

ご当地うどん  群馬の桐生・館林エリアの郷土料理。薄く伸ばした生地を通常より広い幅で切って茹でる平打ちうどんの一種で、愛知の郷土料理きしめんがルーツという説もあります。麺の幅は1.5㎝〜15㎝までさまざまですが、飲食店では幅5㎝前後の麺が人気のようです。ざるや皿に盛った麺をつゆにつけて食べるのが一般的。同じ幅の広い麺には、埼玉・鴻巣の川幅うどんや、群馬や埼玉・秩父の郷土料理おっきりこみうどんなどがあります。

栃木 耳うどん

耳のようにぷっくりかわいい

ご当地うどん  佐野の郷土料理で年の暮れに作っておき、お正月に食べるものとして昔から親しまれてきました。生地を薄く伸ばし、切って二つ折りにして作る麺が耳の形に似ていることから、耳うどんと呼ばれるようになりました。麺はうどんというよりはすいとんに近く、つゆは濃い醤油味で野菜やきのこ、鶏肉など具だくさん。麺を鬼の耳に例えて食べてしまうことから、無病息災やご近所との円満など、新年の厄除けとしても親しまれています。

東京&埼玉 武蔵野うどん

豚肉入りのつけ麺が人気

ご当地うどん  東京北西部と埼玉西部に広がる武蔵野台地は小麦栽培が盛んで、古くは冠婚葬祭の折に各家庭で振舞われるハレの日の料理でした。麺は一般的なうどんよりも太くゴツゴツしており、地元産の小麦(地粉)のやや黄色っぽい色が特徴です。冷たい麺を具入りの 温かいつゆで食べるつけ麺スタイルが一般的ですが、豚肉入りの「肉汁うどん」も人気。特産のほうれん草や大根をつけ合わせたり、麺をあつもりにしたりすることもあります。

山梨 吉田のうどん

具のキャベツが新鮮!

ご当地うどん  富士吉田で古くから親しまれてきた吉田のうどんは、強いコシのある極太麺に茹でキャベツや甘辛く煮た馬肉を合わせるのが一般的です。つゆはしょうゆとみそを合わせる場合が多く、店によってはきんぴらごぼうを具に加えることもあるとか。同じ山梨の郷土料理ほうとうが野菜を多く用いる普段の食事だったのに対し、うどんは小麦粉をたくさん使うごちそうでした。そのため今でも結婚式のお料理に登場することもあるそうです。

愛知 みそ煮込みうどん

赤みそ文化圏の真打

ご当地うどん  みそ煮込みうどんというと一般的に赤みそ(豆みそ)を使った出汁で麺を煮込んだうどんを指します。みそ仕立ての出汁で直接麺を茹でるため、出汁が塩辛くならないよう、塩を使わずに打った麺が使われます。一人前用の小さな土鍋でうどんを煮立て、鍋焼きうどんの状態でいただくのがよく見られる食べ方です。具はねぎやかまぼこなどが多く、仕上げに中央に玉子を落として、玉子が煮え切らないうちにいただくのが主流です。

三重 伊勢うどん

やわらかい麺に黒いたれ

ご当地うどん  伊勢の郷土料理で、ふんわりとやわらかい極太麺に少量のたれを絡めていただく個性的なうどん。「これがうどん?」と驚くほどの柔らかさで、現地では老人や子どもでも食べやすく消化が良いと好まれています。黒く濃い色のたれは、甘みとうまみの強い特産のたまり醤油を使ったもの。伊勢神宮そばのおかげ横丁には、江戸時代に参拝客に伊勢うどんを振る舞う店ができたといわれており、現在も数店、伊勢うどんのお店があります。

徳島 たらいうどん

円座で食べる釜揚げうどん

ご当地うどん  釡で茹でたうどんを、茹で汁ごと寿司桶のような大きな木製の器に移し、銘々のつけ汁につけて大勢で円座になりいただくうどん。阿波地方の郷土料理で、昭和初期に現地を訪れた当時の県知事が「たらいのような器に入ったうどん」と呼んだため、たらいうどんの名がついたそうです。元来つけ汁の出汁は川魚でとっていたそうですが時代とともに変化し、現在は川魚を使う店は少なくなり、一人前ずつ器に入れて提供する店もあります。

長崎 五島うどん

あご出汁でいただく細麺

ご当地うどん  五島列島で作られている、手延べうどんの乾麺。細くしなやかながらもしっかりとしたコシがある麺に、特産のあご(トビウオ)を使った出汁を合わせるのが一般的です。手延べの工程で特産の椿油を使用するため、麺がほんのりと色づき喉越しがよいのが特徴。煮えたぎる鍋から直接麺を取って食べる地獄炊きと呼ばれる食べ方もあり、その場合、つゆのほかに、すき焼きのように生玉子に絡めて麺をすする食べ方でも楽しまれています。

すでに伝説!本当にあった讃岐うどんの話

ご当地うどん  香川発祥の讃岐うどんは、釡玉うどんや生じょうゆうどんといった独特の食べ方で全国的に人気となり、セルフスタイルで麺や天ぷらを注文する方法も全国に広まりました。「ここまでセルフ?」と県外人が驚く、大根やしょうがを自分ですりおろす店、タンクに入った出汁を自分で器に注ぐ店、麺を自分で温める店もあります。薬味のねぎを畑に取りに行く店もありましたが、大混雑する人気店となり現在は行われていないそうです。

北海道のご当地うどん「豪雪うどん」

 倶知安町発祥の豪雪うどんは、じゃがいもでんぷんを使った麺のうどんで、元は農家の家庭料理としてふるまわれていたのを、お土産用などに作ったもの。倶知安町が北海道有数の豪雪地帯であることから、この名称がつけられました。

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