Sun Clover Gallery 北海道のアーティストたち
笠見康大・作
私は抽象的な振る舞いのなかで現れる色や形の関係の中に、私的な、あるいは社会的な感覚や感情を探っています。
抽象的な関係の中には、言語によってカテゴリー化される前の不確定な関係が出来事として現れます。この出来事は不明瞭でありながらも時にダイレクトに私の感覚に訴えてきます。そんなときは、目の前にある色や形でできたただのイメージが、私の生活や、それを取り巻く社会と無関係であるとはどうしても思えないのです。
私はその瞬間に向けて絵を描いています。いつもうまくいくとは限りませんが、抽象的な関係に適切な位置を待たせるにはどうしたらいいか、身近な環境との対話のなかで四苦八苦しています(写真は「逆さまの絵とスケール」という作品です)。


笠見康大(YASUHIRO KASAMI)
1982年福島県いわき市生まれ。2009年北海道教育大学大学院教育学研究科教科教育専攻美術教育専修(西洋画)修了。現、北海道文教大学人間科学部こども発達学科准教授。2022年「The Act of Painting “直感” 紙の作品」モエレ沼公園ガラスのピラミッド(札幌)、2020年個展「Yesterday and To-day」CAI02(札幌)、2018年「♯みまのめ〈VOL.2〉笠見康大・佐藤あゆみ」北海道立三岸好太郎美術館(札幌)、「絵画の現在地」500m 美術館(札幌)、2016年「シェル美術賞アーティストセレクション」国立新美術館 (東京)、2015年「VOCA展 2015 現代美術の展望−新しい平面の作家たち」上野の森美術館(東京)、2012年「トーキョーワンダーウォール公募 2012」東京都現代美術館(東京)トーキョーワンダーウォール賞。