撮影:Seiji Yamagishi
Sun Clover Gallery 北海道のアーティストたち
藤沢レオ・作
立ち並ぶ樹木や一本の樹を見るとき、育つために必要な長い年月、そこを住まいにする生き物たちの営み、私たち人間が手を加えたときに途絶える樹の生命、その一部は柱(支柱のようなものかもしれないが)、あるいは道具、または道具の一部、暖をとるための燃料にもなるだろう。
そうして私たちの暮らしと生命は続いてきた。
本作では、自ら石斧によって一本の樹を切り倒すことから始まった。
一本の樹を分割し、空間に配置し直すことで、木から暮らしが、木から柱が、さらには木から森が再生されていく過程を可視化した。
「場を作る」ことは英雄のみが成し遂げられる行為ではなく、自然に立ち上がる現象と捉えることで誰もが参加可能であることを明示し、連綿と続くヒトの暮らし、ひいては生命の連なりを考察する試みとなる。

藤沢レオ(Leo Fujisawa)
彫刻家。1974年 北海道生まれ。鉄や木、繊維などを素材に、彫刻、インスタレーション、工芸、舞台美術等ジャンルを横断しつつ、生と死を等価に抱えるような自身の死生観を基に制作を続ける。またアートを媒介として社会との積極的な関わりを続ける「NPO法人樽前arty+」のディレクターを務め、美術展企画やワークショップ、レクチャー等を行う。
主な展覧会に「Through the Eyes of Hokkaido Artist」(絶対空間/台南 2022)、個展「-Sculpture of Place - 柱の研究」(モエレ沼公園/札幌 2021)、個展「Still Living」(苫小牧市美術博物館 2018)、個展「N.E.blood21 vol.58 藤沢レオ展」(リアス・アーク美術館/気仙沼 2016)等がある。