Sun Clover Gallery   札幌の住まいと暮らしの情報誌「Sun Clover」vol.42

国松希根太・作「GLACIER MOUNTAIN」

GLACIER MOUNTAIN

素材:木(カツラ)に胡粉
制作年:2021年
撮影:瀧原 界

 2002年頃、アトリエの片隅に落ちていた木片を拾い、夢中になってノミやグラインダーを使って彫刻を作ったことがある。大学時代に教わった技術などは頭から抜けて、子どもの頃に工作を楽しんでいた感覚だった。その木片は40cmほどのサイズだったが、彫り進めていくと、まるで地形が出来ていくようで、自分が米粒サイズになってそこに立つとどんな風景だろう?と想像しながら制作していた。

 アトリエの外を歩くと見える山々や、海岸で見る景色などが、自分の作っている地形とリンクしたり、実際にその山に登ることもあれば、氷の滝の下に立つこともある。また、実際には目にしたことのない巨大な氷山を想像してみることもある。体感したり想像するなかから作品として新しい風景が生まれてくる。

 最近は氷山や氷河など温度や時間によって変化していく地形に興味があり、「GLACIER MOUNTAIN」という彫刻を作っている。氷で出来た山は稜線が鋭く、冷たく、人を寄せ付けない厳しい表情を見せるが、時間とともに姿を変えていく。そんな一瞬の姿を彫刻であれば永遠に捉えることができる。(国松希根太)

国松 希根太(Kineta Kunimatsu)
国松 希根太

photo by Ryoichi Kawajiri

1977年、札幌市生まれ。多摩美術大学美術学部彫刻科を卒業後、2002年より飛生アートコミュニティー(北海道。白老町)を拠点に制作活動を行なう。近年は、地平線や水平線、山脈などの風景の中に存在する輪郭(境界)を題材に彫刻や絵画、インスタレーションなどの作品を制作している。主に個展、グループ展などで作品を発表し、スパイラルガーデン(東京)で個展"material"や、サヴォア邸(ボワシー、フランス)でのグループ展"*folding cosmos VILLA SAVOYE"、越後妻有地域(新潟県十日町市、津南町)でも"大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ 2018"など国内外で発表活動を続けている。またアヨロラボラトリーの活動としてアヨロと呼ばれる地域を中心に土地のフィールドワークを続ける。飛生アートコミュニティー代表。

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