サンクローバー vol.46|ろき通信|小野寺燃料株式会社

vol.83 松本ナオヤ(まつもと なおや)の制作現場

▲ 「HEADLIGHT / TAILLIGHT」/ 2020

ろき通信 vol.83 松本ナオヤ(まつもと なおや)の制作現場

 ペインターでビデオグラファーでもある松本ナオヤさんは、以前もこのコーナーで紹介しました。つい最近お会いしたところ、ちょうど個展の準備中だとのこと! とてもワクワクして、「これは、またここで紹介するしかない!」と気持ちが盛り上がってしまい、勢いに任せて取材をお願いしました。

訓練では身につかない空間の魅力

 私が松本さんの作品に惹かれる大きな理由は、作品そのものの魅力、そして展示の際の空間の使い方の巧さの2つです。今回の取材では、これらにつながるお話も聞くことができました。

 まずは、これまで見てきた作品の構図や色味についてです。松本さんが作品を生み出すときは、緻密に下書きから描かれているのだと思っていたのですが、初めから構図が決まっているものもあれば、普段から撮り溜めている写真から組み合わせて構図を決めることもあるそうです。

 たまに漫画のコマ割りも意識することがあり、無意識に好きな漫画家の影響があるかもしれないと話してくれました。

松本 ナオヤ

▲ ポートレート

 色味については、松本さんは重めの色を使う印象がありますが、光の当たっているところ、コントラストからできているところが好きで意識しているそうです。国によって空の色や日差しの強さ、そして影の濃さが違ったりする︙︙その表現がおもしろく、大切にしています。

 また、松本さんは勉強を兼ねて映画もよく観るそうなのですが、黒色が綺麗な作品が好きで、絵でもうまく表現できるように意識しているそうです。

 私はこれを聞いて、とても納得がいきました。確かに、絵の中にある黒色の表現が豊かです。

 そして、彼の空間や間の取り方には、勉強や訓練では身につかない魅力を感じます。

 それは感覚的なものを他者へ伝えるときに、適当な変換ができる彼自身の巧さがあってこそ。私の考える作家としての空間使いの巧さは、﹁ストーリーを感じさせることができるか﹂にあると思っています。その点、松本さんは間のつくりのリズムがよく、その間から伝わるストーリーを感じさせてくれます。

 絵画と動画の表現方法は異なりますが、彼にとっては、その2つの存在は近いようにも見えます。次の展示の準備中ですが、すでにどのような構成で展示会場ができるのかとても楽しみです。また現在、映画制作にも関わっているそう。いつか松本さんが監督する映像作品も見たいと妄想が膨らみました。

松本ナオヤ(まつもと なおや)/ ペインター・ビデオグラファー

1986年、青森県出身。北海道道都大学(現・星槎道都大学)美術学部卒業。
個展『SHINING VIOLENCE』(2015年)
個展『ONE MORE CASE』(2017年)
個展『SHINING SUSPENSE』(2017年)
『Independent 東京 2017』(2017年、審査員特別賞受賞)
『The GREEN LEAF Niseko Exhibition』(2018年)
個展『臨海都市 / Hi-Fi Dream』(2018年)
個展『HEADLIGHT / TAILLIGHT』(2020年)
https://linktr.ee/nmtmt

写真:作家提供 文・菅原由香
※「ろき通信」は小野寺燃料が情報誌で10年以上継続しているアートレポートです。
北海道出身や札幌拠点で活動する現代アートの作家たちをご紹介しています。

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