サンクローバー vol.44|ろき通信|小野寺燃料株式会社

vol.81 藤倉翼(ふじくらつばさ)の制作現場

▲ Group Exihibition “After dark” Sapporo Art Museum 2021

ろき通信 vol.81 藤倉翼(ふじくらつばさ)の制作現場

 写真家には黒い服装の人が多い気がしますが、藤倉翼さんは、どの現場でもとてもお洒落。そのカラフルで楽しそうな姿に引き寄せられ、一緒に写真撮影をお願いされている姿を見かけたこともあります。彼の人柄のよさが伝わるのだろうとうれしくなりました。今まで深くお話をする機会がなく、今回初めて写真家としての活動について聞かせていただきました。

見た瞬間の静かな衝撃

藤倉翼

▲ “Motor show” 2021(Photo taken in 2016)

 藤倉さんは、父がプロカメラマンだったこともあり、小さなころから写真と縁のある環境で育ちました。小学校5年生のときには、一眼レフカメラで友人の写真を撮っていたそうです。「横文字の職業はやっぱりカッコよくて憧れました。機械としてカメラが好きだったし、カメラマンになりたいと思っていました」と話します。

 カメラマンを目指すにはとても恵まれた環境のようですが、高校卒業後は写真と距離をおいた時期もあったそうです。その後、路上で写真作品を販売するなど紆余曲折の後、26歳でフリーカメラマンとして独立します。

 そのときは父から仕事の紹介などの援助もあったそうですが、何よりもうれしくて忘れられないのは、息子ではなく、“尊敬すべき同業他者”として扱ってくれたことだそうです。

 30歳を過ぎてから、作家としての作品を作るようになり、東京や関西のポートフォリオレビューに参加したことで、作品の強度を上げる必要を感じたそうです。ここから十数年にわたり、個展やさまざまなグループ展で作品を発表し続けてきました。

 最近の藤倉さんは、参加したグループ展で一緒になった写真家たちとのやり取りが楽しくて仕方ないそうです。「自分が参加してよいのかと思うほど、高い技術を持った作家たちばかり。一流のモノを作る人は人柄も一流で、私もそうなりたい。あとは実力をつけるだけだと思いました﹂と話します。

 10年ほど前、藤倉さんと偶然会ったとき、作品集を見せてもらったことがあります。彼の作品を見た瞬間の静かな衝撃は、一瞬、自分がどこにいるのかわからなくなるような感覚がありました。そのとき、私は﹁作品集を販売してほしい﹂と言った記憶があります。

 そして先日、最新の作品集が発売されました。﹁あとは実力をつけるだけ﹂という藤倉さんの今後の活動から目が離せません。

 最近の作品や展示の情報はインスタグラムから見ることができます。ぜひご覧ください。

藤倉翼(ふじくら つばさ)/ 写真家

藤倉翼 1977年北海道生まれ、北海道在住。2003年以来、さまざまな写真作品を発表。近年はアノニマスな職人のクラフトワークに着目した作品「ネオンサイン」が日本の写真評論家からも好評を得ている。直近では札幌芸術の森美術館に作品が収蔵された。
Instagram @tubasafujikura
http://www.tsubasafujikura.com
<作品集>
https://www.shashasha.co/jp/book/neon-sign
<仕事集>
http://www.tsubasafujikura.jp

写真:作家提供 文・菅原由香
※「ろき通信」は小野寺燃料が情報誌で10年以上継続しているアートレポートです。
北海道出身や札幌拠点で活動する現代アートの作家たちをご紹介しています。

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