サンクローバー vol.43|ろき通信|小野寺燃料株式会社

vol.80 竹田桃子(たけだももこ)の制作現場

ろき通信 vol.80 竹田桃子(たけだももこ)の制作現場

 今回は作家ではなく、ヴィンテージショップ「Mémoire(メモワール)」からさまざまなものを発信し続ける竹田桃子さんをご紹介します。お店に初めてお邪魔したときの印象は、学生の頃に行ったフランスのヴィンテージショップそのものでした。自由で、本当に自分がよいと思うものを取り扱っている、そんなお店です。

人とモノが交流する優しくて強い場所る

竹田桃子  桃子さんのお店は、まるで小さな美術館のよう。1日では鑑賞し切れないほどさまざまな商品が並んでいます。その一つひとつに愛情を持ち、﹁よさを伝えたい﹂という熱い思いと、商品の背景と作り手への敬意から、作品として扱っているように見えます。

 桃子さんがお店を始めたのは、前職の看護師退職後のこと。﹁人とモノが交流するサロンになれば﹂という思いから始め、7年目になる現在も、ヴィンテージの服やスカーフ、作り手の顔が見えるお菓子、お花、アクセサリー、皮小物、本や美術作品などを扱っています。流行よりも自分自身がよいと思うものを取り扱う姿勢は、うそのない真っすぐな彼女そのもの。店内だけでなく、インスタグラムでもいろいろな考えを発信しています。

 以前、桃子さんと﹁買い物は投票に等しい﹂という話をしたことがあります。自分が働いて得たお金を、誰が作ったものに使いたいか。お金を使った先を応援したい気持ちを持つことは自分の意思表示にもなります。それから、何を手に取り選択するか、背景を知った上で、誰から買いたいか考えるようになりました。彼女の考え方はチャリティーイベントにもつながっていて、お店を経営しながらも自分のできることをどんどん行動に変えていきます。コロナの影響で職を失い困っている人を応援したい、酷い弾圧をされたミャンマー市民を応援したい︙︙その都度アクションを起こし、支援金を送ったり、上映会を企画したりと、彼女の動きから優しい気持ちと強さが伝わってきます。

 お店で繰り広げられる話題は多岐にわたり、﹁日本はこのままでいいわけないよね?﹂﹁もっと動ける方法があるよね?﹂と、ヴィンテージから政治の話まで、お客さん同士でも分け隔てなく話題にします。どれも大切なことだから、そして真っすぐな彼女だからこそ、出し惜しみせずに店の空間にさまざまなモノが並んでいるのだと実感しています。今後も人が集まり話す場所を提供し続けたいと話す桃子さん。これからも何が﹁Mémoire﹂から発信されるのか、楽しみです。

竹田桃子(たけだ ももこ)/ヴィンテージショップ店主

北海道小樽市生まれ。服飾ヴィンテージから手仕事が光るさまざまな商品を取り扱い、モノを介して人をつなぐ社交場ヴィンテージショップ「Mémoire(メモワール)」を経営。月一のお祭りイベントや季節ごとのポップアップイベント、作家の展示などを織り交ぜ豊かな時間を提供している。

Mémoire

札幌市中央区南2条西6丁目5番土肥ビル3階
Instaram@memoirediary
*営業日時はインスタグラムをご確認ください。

文・写真:菅原由香
※「ろき通信」は小野寺燃料が情報誌で10年以上継続しているアートレポートです。
北海道出身や札幌拠点で活動する現代アートの作家たちをご紹介しています。

 ろき通信 過去の記事一覧へ
 最新号トップページへ