ろき通信 vol.78   札幌の住まいと暮らしの情報誌「Sun Clover」vol.41

ウリュウユウキ(うりゅうゆうき)の制作現場

 ウリュウユウキさんと会ったのは、14年ほど前のこと。当時、筆者が運営メンバーだった図書館カフェバーのお客様でした。そこでウリュウさんの個展を行ったこともあります。作品写真から、旅が好きな人だとすぐわかります。今回は、旅人としての側面もある彼の活動について聞いてみました。

旅、札幌、仲間ーー経験を表現に変換

窓-Layered Journey-

「窓-Layered Journey-」より(2019年)

 長野県出身のウリュウさんは、お父さんの転勤が多く、さまざまな土地で暮らした経験があります。今では、札幌が一番長く住んでいる街になりました。

彼の好きなものは、いつもその姿や動きからにじみ出ています。愛車のカブ、SNSで発信する旅の情報、いつも持ち歩いているカメラは同じモデルの3代目。それに、歴史や物事の背景を知るのが好きで、本屋に勤めていたほどの本好き。作品づくりと深くかかわるところでは、これらのほかにも、人との出会いがあるようです。それは、札幌に移り住んだ理由の一つでもあります。

 小樽で行われている野外写真展﹁小樽・鉄路・写真展﹂に参加するようになってから、その展示の自由さや、毎年会える仲間との交流から、大きな刺激を受けたそうです。それまで東京から参加していた彼は、札幌に移り住むことを決意します。それからは、写真だけでなく、ものづくりの仲間との交流が広がりました。

 ウリュウさんは笑顔で﹁本当におもしろい人が多い﹂と言います。旅の切符一つ買う方法を吟味したり、ルートを楽しそうに語る彼もまたおもしろい人だと思うのですが、本人は気づいていないようです。

 出会ったばかりの頃の彼は、展示を構成することにまだ慣れていなかったように思います。経験を重ね、さまざまな作家と交流することで、表現したいことをスムーズに形に変換できるようになってきたようです。淀みのない展示で、自身の作品をよりはっきりと際立たせているようにもみえます。感覚的なことを言葉にするのは難しいですが、過去の作品と比べてみると、そう感じられるのです。

 ウリュウさんは﹁こんなときだからこそ﹂と、道外や海外での活動をしたいと話します。海外での活動は、長年考えていることでもあります。どんな形での活動になるか、楽しみでなりません。旅をしたことがある人なら、彼の作品の中に、自分の記憶の風景も見つけられるかもしれません。ぜひ、展示の際は足を運んでいただきたいです。
(写真:作家提供 文:菅原由香)

ウリュウユウキ ウリュウユウキ(うりゅうゆうき)/写真作家|
https://www.yuukiuryu.com/
1976年長野県出身。2003年より札幌を拠点とし、個展、グループ展等にて作品を発表。紙媒体を中心としたデザイン等も手掛けている。

<主な個展・合同展>
「旅と旅のあいだの旅」(2021年)逢坂憲吾氏との二人展「そこから なにが みえますか」(2020年)
<グループ展> 「都市標本図鑑」(2017年)野外写真展「小樽・鉄路・写真展」(2001年〜)
<企画展等>
「北海道151年のヴンダーカンマー」(2020年)「はこだてトリエンナーレ2019みなみ北海道を旅する芸術祭」(2019年)「札幌美術展『旅は目的地につくまでがおもしろい。』」(2017年)
<プロジェクト参加>
『札幌国際芸術祭2017』「市電プロジェクト-都市と市電-」(2017年)

※「ろき通信」は小野寺燃料が情報誌で10年以上継続しているアートレポートです。
  北海道出身や札幌拠点で活動する現代アートの作家たちをご紹介しています。

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