ろき通信 vol.76   札幌の住まいと暮らしの情報誌「Sun Clover」vol.39

前田麦(まえだばく)の制作現場

 学生時代、同じ街で活躍する方々を勝手に身近なヒーローのように慕っていました。そのうちの1人が、前田麦さん。今回、6月にアトリエを移転されたばかりの前田さんとお話をできるチャンスが到来!アトリエにもお邪魔しました。

飽くなき好奇心、探求心、そして鍛錬

RIBBONESIA(リボネシア)

 小さなころから絵を描くのが好きだった前田さんは、進学先に芸大のイメージが湧かず、経済学部へ。卒業後はウェブ制作会社に就職します。在学 中も絵を描いていたこと、アナログからデジタルへの移行真っ盛りの時期だったこと、マッキントッシュのとの出会いなどが就職に深く関係し、一つのターニングポイントになったと話します。

 絵を描き続けながら7年ほど勤めた後、イラストレーターとして独立。ネットの普及により、海外とも直接やり取りし、実際に行くこともありました。

 そのころはインキュベーション施設に入居していたこともあり、そこでの人との出会いがさまざま活動につながっていきます。その後、リボンを使ったアートプロジェクト「RIBBONESIA(リボネシア)」を始動します。

 思いついたのは12年前、公式発表したのは10年前。リボン1つから想像もつかないほど豊かな作品の数々が生まれ、注目され、さまざまなメディアで紹介されました。そして国内外からの依頼に応え、世界的な展開になっていきます。

前田麦(まえだばく)  常に複数のプロジェクトが進行している前田さん。思いついたことや、面白いと思ったことをすぐにやってみて、 「あれ? 違う」と繰り返すことで形になったり、全然だめというものもある。思いついたことは試さないと気が済まないとのこと。こういった繰り返しの中で生まれてくるものが研ぎ澄まされて形になるのは、前田さんの飽くなき好奇心と探求心、それを試し続ける鍛錬によるものだと深く感じました。

 今年6月、ホームセンターが隣にある今のアトリエに引っ越しました。作り手なら、ホームセンターの隣という立地だけでもワクワクして冷静でいられない。そんな理想的な場所での、今後の活躍に注目してしまいます。

 取材時、トウモロコシの皮を使った試作品やその素材を扱う工程を見ることができました。前田さんのインスタグラムでは毎日のように生み出される作品や実験の数々を見ることができるので、このワクワク感をぜひ体感してほしいです。
(文、写真:菅原由香)

前田麦(まえだばく)/アーティスト、イラストレーター|
instagram @bakumae
「RIBBONESIA」
https://ribbonesia.com/
1974年札幌市生まれ、札幌在住。自然に囲まれた豊かな環境から感化され、一つの表現に縛られなさまざまな作品を発表。リボンを使ったアートワーク「RIBONESIA」も展開しており、国内外でも高く評価され、広告やファッションのほか多彩なジャンルで活躍。

※「ろき通信」は小野寺燃料が情報誌で10年以上継続しているアートレポートです。
  北海道出身や札幌拠点で活動する現代アートの作家たちをご紹介しています。

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