小野寺燃料

札幌の住まいと暮らしの情報誌「Sun Clover」vol.14
~ろき通信 vol.52~

マニ(mani)の制作現場

 マニ(mani)さんの描く絵は、懐かしい雰囲気の色合いや、昔の絵本から飛び出してきたような古風なシルエットが特長。柔らかいタッチで、のびのびとした動きを感じさせます。動物をモチーフにすることが多い彼女の絵は、今も昔も行き来する普遍的な感情や、存在を表現しているようにみえます。動物のようだけど人の姿にも見えて、見ているうちにこっそりと作品が話しかけてきそうです。

環境が整いすぎないからこそ かえって良い作品がうまれる

  マニさんが絵を描き始めたのは小さなころ。気づけば描くことが好きだった。長所と言えばそれくらいで、唯一のコミュニケーション方法でもありました。絵を描くことを介して何とか思いを伝えていたのです。彼女の母と姉も絵を描くのが得意で、その影響もあって自然と描くようになった気がする……そう当時を振り返ります。
 そして現在、マニさんの息子さんも同じく絵を描くことが好きなようです。斜め向かいになって机で一緒に絵を描きます。やんちゃ盛りの彼はマニさんにお題を出すので、自然と彼女の絵のトレーニングにもなっているようです。
 加えてこのトレーニングには思いもよらぬ効果がありました。自分の絵だけに集中できる整い過ぎた環境では、彼女に絵の終着点を見失わせることがあるのです。あまりにも整って集中できる場所だと絵に入り込み過ぎて、あまり良い作品を作れない。程よいバランスのとれた絵は、集中し過ぎないことで仕上がる……そう彼女は言います。息子さんとの時間は、少し集中力が緩む中で制作を進めることができるそうです。制作場所に対しての欲はないことはないが、それを何が何でも変える強引さは持ってない、とも。今の環境で作れればよいし、不便もない。現状でできることを無理なく進めたいと、けっこう現実的です。
 のびのびとした絵のタッチと同様に、マニさんものびのびとしたおおらかな方です。個展やカフェなどでの展示のほかに、イベントやワークショップなど新しいことへの挑戦もしています。子育てと仕事を両立しながら制作の時間を作るのは簡単ではありませんが、程よい外部からの刺激は、また個展ができるまでのトレーニングのように捉えて足も止めていません。最近は素晴らしい鳥の図鑑を手に入れて、鳥の絵を描くことが多くなったそうです。
 ひとつひとつを楽しみながら、気負わずにマイペースに進むマニさんの作品。その展示が待ち遠しいですが、いつかいつかと、楽しみは後に取っておくほうがお得な感じがしますよね。

マニ(mani )/ ペインター

イラストや絵画、アクセサリー制作・アートワークの個展、グループ展を精力的に開催。
最近の活動は
「Salon de Fukuro to Neco (DJイベント/紙製蝶ネクタイのワークショップ。2012年2月)」
「旅するイロ展 (ブローチとイラスト 2人展。2013年3月)」。

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