サンクローバー vol.43│医療ジャーナリスト・松井宏夫のなぜなに病院ふむふむ医療│小野寺燃料株式会社

医療ジャーナリスト・松井宏夫のなぜなに病院ふむふむ医療【第32回】研修医は何をするの?

医療ジャーナリスト・松井宏夫のなぜなに病院ふむふむ医療
【第32回】研修医は何をするの?

病院に行ったら、研修医の先生がいました。一人前の医師と何が違うのでしょうか?

 医師になるには、大学の医学部で6年間学んだ後、医師国家試験に合格しなければなりません。試験に合格すれば晴れて医師となりますが、学生時代は実際の医療行為をすることができません。そのため、医師免許を取得したばかりの医師は研修医として現場で働きながら勉強することになります。

 研修医の期間には前期と後期があります。前期は2年間、後期は研修医の専門によって期間が異なります。研修医として前期研修の勤め先を決めるには、まず厚生労働省の指定を受けた「臨床研修指定病院」の中から希望する病院を選び、採用試験を受けます。このシステムを“マッチング”といいます。

 マッチングで配属先が決まったら、2年間はその医療機関で勤務し、自分の専門以外の科も受け持つことでさまざまな知識を学び、医師としての腕を磨いていきます。この“医師免許取得後に2年以上の臨床研修を行う”という臨床研修制度は、かつて努力規定でしたが、2004年に必修化されました。研修医が将来どの分野を専門とするかに関わらず、さまざまな診療科について基本的な診療能力を身につけた医師の養成を目指すためです。以前は大学の医局が研修医の人事を決めることも多くありましたが、この制度により勤務病院を選べるようになりました。その半面、魅力ある研修プログラムや充実した処遇がある病院に人が集中してしまうという傾向もあります。

 病院に配属された研修医は、実際に医療行為を行います。1人で実務をすることはほとんどありませんが、看護師に指示を出したり、傷の縫合をしたり、患者に説明をしたり、家族と接したり……といったことから、カルテの記入や会議の準備など、事務的な仕事もたくさんあります。また手術の助手として立ち合ったり、簡単な処置を行うこともあります。

 このように、前期研修で指導医や先輩の医師に教わりながら多くの経験を積んだ研修医は、後期研修に移ります。後期研修は、そのまま前期研修先の病院に採用されるケース、大学の医局に入局するケース、別の病院に就職するケースなどがあります。このようにして経験を積み、一人前の医師として歩み始めるのです。

松井宏夫(まつい・ひろお)

1974年、中央大学卒業。日本ドキュメント・フィルム助監督、週刊サンケイ記者を経てフリージャーナリストに。1991年『名医名鑑』を日本工業新聞社から出版。その後、5冊の名医本が続けて大ベストセラーに。名医本のパイオニアであるとともに、最先端医療など医療全般をわかりやすく解説。テレビの健康番組『たけしの家庭の医学』の監修( 〜2020年3月)、ラジオ、新聞、週刊誌、講演などで幅広く活躍している。日本医学ジャーナリスト協会副会長、東邦大学医学部客員教授、日本肥満症予防協会理事。TBS ラジオ『森本毅郎・スタンバイ!』内の「日本全国8時です」(毎月曜8:00~)に出演、病気や健康について親しみやすく解説(2014年10月〜2020年3月)。

病院・医療については、松井宏夫監修の書籍『最新 病院のすべて 気になる医療業界をまるごと図解』(学研)でもっと詳しく!

 なぜなに病院ふむふむ医療 過去の記事一覧へ
 最新号トップページへ