医療ジャーナリスト・松井宏夫のなぜなに病院ふむふむ医療【第31回】
札幌の住まいと暮らしの情報誌「Sun Clover」vol.42

リハビリのお仕事って?

以前、リハビリテーションの先生にお世話になりました。どんなお仕事なのでしょうか?

 患者と二人三脚で機能回復を図るリハビリテーションの専門職には、主に理学療法士、作業療法士、言語聴覚士の3つがあります。

 理学療法士は、運動能力や体の動作機能の回復を目指す専門職です。関節の曲げ伸ばしや筋肉トレーニング、歩行訓練を行う運動療法、患部を温めたり冷やしたりして痛みやむくみをとる物理療法、食事や入浴、移動、コミュニケーションなど日常生活に必要な動作訓練の3つを行います。そのため、医療の知識だけでなく、解剖学や生理学などの幅広い知識や、マッサージの技術なども必要になってきます。

 また理学療法士が行うリハビリテーションは、脳卒中や脊髄損傷などの中枢神経疾患や、骨折などの整形外科疾患を持つ患者だけでなく、運動機能が低下した高齢者も対象となります。

 次に作業療法士は、身体的な障害だけでなく、統合失調症や神経症などの精神的な障害を持つ人に向け、社会生活や日常生活をスムーズに送るための訓練も行います。たとえば工芸や手芸、陶芸など、その人が興味を示すことを利用して機能の回復を図っていきます。さらに、退院後の生活環境に適応するため、パソコンの操作や車の運転といった訓練も行います。またコミュニケーション能力の回復を目指し、複数人でのグループリハビリテーションを行うこともあります。

 こういった作業療法士は病院のほか、介護施設やデイサービスセンターなどでも幅広く活躍しています。

 そして言語聴覚士は、リハビリの中でも言語障害に取り組んでいます。話すことだけでなく、聞く、食べるといった、口や耳にかかわる幅広い内容が含まれます。高齢者のほか、脳疾患やくも膜下出血、神経難病、先天的な障害を持った人、事故の後遺症などで高次脳機能障害を負った人、言葉の発達が遅い幼児などにも対応しています。学校や職場で快適に生活できることを目指し、支援しています。

 また、食べものを飲み込む機能の回復を目指す嚥下訓練なども行います。

 このようにリハビリの現場では、国家資格を得た理学療法士、作業療法士、言語聴覚士がチームを組み、医師の指導のもとリハビリテーション計画を立て、患者が社会生活、日常生活を取り戻せるよう、力を尽くしています。

松井宏夫 (まつい・ひろお)|1974年、中央大学卒業。日本ドキュメント・フィルム助監督、週刊サンケイ記者を経てフリージャーナリストに。1991年『名医名鑑』を日本工業新聞社から出版。その後、5冊の名医本が続けて大ベストセラーに。名医本のパイオニアであるとともに、最先端医療など医療全般をわかりやすく解説。テレビの健康番組『たけしの家庭の医学』の監修(〜2020年3月)、ラジオ、新聞、週刊誌、講演などで幅広く活躍している。日本医学ジャーナリスト協会副会長、東邦大学医学部客員教授、日本肥満症予防協会理事。TBS ラジオ『森本毅郎・スタンバイ!』内の「日本全国8時です」(毎月曜8:00~)に出演、病気や健康について親しみやすく解説(2014年10月〜2020年3月)。

※病院・医療については、松井宏夫監修の書籍『最新 病院のすべて 気になる医療業界をまるごと図解』(学研)でもっと詳しく!

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