医療ジャーナリスト・松井宏夫のなぜなに病院ふむふむ医療【第30回】
札幌の住まいと暮らしの情報誌「Sun Clover」vol.41

睡眠時無呼吸検査って?

家族にいびきを指摘され、睡眠時無呼吸症候群ではないかと思っています。どんな検査をするのでしょうか。

 睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは、睡眠中に大きないびきをかくだけにとどまらず、何度も呼吸が止まり、人体にさまざまな悪影響を及ぼす病気です。原因として多いのは、気道が塞がってしまい呼吸ができなくなること。例外もありますが、多くは肥満と加齢が原因の病気です。

 症状として、眠っている間に10秒以上の無呼吸や低呼吸を繰り返すため、何度も目が覚めてしまったり、十分な睡眠時間を取っているはずなのに目覚めたときにスッキリ感がない、日中に眠気を感じたり、集中力が低下したり、倦怠感があったりします。

 睡眠時無呼吸症候群は心筋梗塞や脳卒中のリスクを高めたり、自動車の運転などに影響を及ぼしてしまうため、早期の診断・治療をすることが大切になってきます。

 医療機関による睡眠時無呼吸検査では、まずセルフチェックテスト(ESS)などを使った問診を行います。

 たとえば、座って読書をしているときやテレビを見ているときなどに眠気があるかどうかを、0~3の4段階で評価するといったテストです。

 その結果によって、睡眠時無呼吸症候群の疑いが強い場合には、自宅で行える簡易型の装置を用いた簡易検査が実施されます。

 簡易検査では、携帯型の装置に接続したセンサーを鼻と指につけて眠ることで、鼻呼吸や動脈血酸素飽和度などを測定します。これは一晩で終了します。

 次に行われるのが、一晩入院が必要な終夜睡眠ポリグラフ(PSG)検査です。

 この検査では、無呼吸の頻度や血中の酸素濃度だけでなく、脳波や睡眠中の眼球の動き、心電図、四肢の運動、胸壁や腹壁の運動など、詳細なデータを一晩にわたって睡眠中に測定します。

 その後、日中の眠気を調べる睡眠潜時反復(MSLT)検査を実施します。この検査は睡眠障害の一つであるナルコレプシーの診断法として活用されています。

 これらの検査結果をもとに、必要な場合は担当医の指導のもと治療を開始します。睡眠時無呼吸症候群の治療には、生活習慣の改善のほか、CPAP(シーパップ)治療や口腔内装置(マウスピース)による治療、外科的手術による治療など、状態によってさまざまです。

 いびきを指摘されたり、日中の眠気や疲れやすさがある場合は、専門の医師の診察を受け、適切な処置を行いましょう。

松井宏夫 (まつい・ひろお)|1974年、中央大学卒業。日本ドキュメント・フィルム助監督、週刊サンケイ記者を経てフリージャーナリストに。1991年『名医名鑑』を日本工業新聞社から出版。その後、5冊の名医本が続けて大ベストセラーに。名医本のパイオニアであるとともに、最先端医療など医療全般をわかりやすく解説。テレビの健康番組『たけしの家庭の医学』の監修(〜2020年3月)、ラジオ、新聞、週刊誌、講演などで幅広く活躍し ている。日本医学ジャーナリスト協会副会長、東邦大学医学部客員教授、日本肥満症予防協会理事。TBS ラジオ『森本毅郎・スタンバイ!』内の「日本全国8時です」(毎月曜8:00~)に出演、病気や健康について親しみやすく解説(2014年10月〜2020年3月)。

※病院・医療については、松井宏夫監修の書籍『最新 病院のすべて 気になる医療業界をまるごと図解』(学研)でもっと詳しく!

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