医療ジャーナリスト・松井宏夫のなぜなに病院ふむふむ医療【第29回】
札幌の住まいと暮らしの情報誌「Sun Clover」vol.40

医療事務ってどんなお仕事?

求人募集でよく「医療事務」という職種を見かけますが、どんなお仕事をしているのでしょうか?

 医療事務は、パート・アルバイト、派遣社員での求人も多く、勤務時間を自由に選べることが多いため、女性を中心に人気の職種です。
 また職場となる病院やクリニックは全国のどこにでもありますから、たとえば引っ越しをしても、職種を変更せずに働けるメリットがあることも、人気の理由の一つになっています。
 医療事務の仕事には、主に病院の顔となる受付業務や、専門的な知識と正確な作業が必要な会計業務などがあります。
 受付業務では、診察の予約・受付、入退院の手続き、他のスタッフへの情報伝達、電話交換など。会計業務では、診療費の計算・請求、レセプトの作成、保険料の請求、診断書の受付・依頼などの業務をこなしています。
 また、ほかにもカルテの管理・点検や診療データの解析、未収の治療費の回収といったことも行います。
 中には治療費を滞納してしまう患者もいますから、その催促や、分割などの支払い方法の提案をすることもあります。
 医療事務として働く場合、とくに資格がいるわけではありませんが、専門知識が必要なことから、有資格者などのエキスパートが活躍しています。
 中でもレセプトの作成は、医療事務の専門的な知識が必要になります。レセプトとは、本誌36号掲載の「レセ プトってなあに?」でもご説明しましたが、診療報酬明細書のこと。医療機関の属性、患者の属性、傷病名、診察開始日、診察日数などが記されており、健康保険が適用される医療サービスの場合、医療機関はその明細を審査機関に毎月提出することで、患者の自己負担額以外の診療報酬を受け取ります。
 診療報酬は法律に基づいて計算するため、多くの病院では、専門的な知識を持つ資格保持者や、専門の派遣会社からの人材を集めています。
 資格には、内閣府認定の公益法人日本医療保険事務協会の「診療報酬請求事務能力認定試験」や、一般財団法人日本医療教育財団の「医療事務技能審査試験」など、さまざまなものがあります。
 また医療事務は、正確さとスピードといった技能はもちろんですが、患者がその医療機関で最初に顔を合わせるスタッフでもありますから、接客やコミュニケーション能力も重要。笑顔で接し、患者の緊張をほぐしてあげるのも、大切な仕事の一つです。

松井宏夫 (まつい・ひろお)|1974年、中央大学卒業。日本ドキュメント・フィルム助監督、週刊サンケイ記者を経てフリージャーナリストに。1991年『名医名鑑』を日本工業新聞社から出版。その後、5冊の名医本が続けて大ベストセラーに。名医本のパイオニアであるとともに、最先端医療など医療全般をわかりやすく解説。テレビの健康番組『たけしの家庭の医学』の監修(〜2020年3月)、ラジオ、新聞、週刊誌、講演などで幅広く活躍している。日本医学ジャーナリスト協会副会長、東邦大学医学部客員教授、日本肥満症予防協会理事。TBS ラジオ『森本毅郎・スタンバイ!』内の「日本全国8時です」(毎月曜8:00 ~)に出演、病気や健康について親しみやすく解説(2014年10月〜2020年3月)。

※病院・医療については、松井宏夫監修の書籍『最新 病院のすべて 気になる医療業界をまるごと図解』(学研)でもっと詳しく!

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