医療ジャーナリスト・松井宏夫のなぜなに病院ふむふむ医療【第28回】
札幌の住まいと暮らしの情報誌「Sun Clover」vol.39

よく聞く「X線検査」って、どんな検査?

診察でX線検査を受ける機会は多いのですが、どんな検査で、どんなことがわかるのでしょうか?

 X線検査は一般診療や健康診断などでもお馴染みの検査なので、「よく受けている」という方が多いのではないでしょうか。検査時間が短く経済的なので、体内を画像化する検査のなかでもっとも利用されています。病院だけでなく、空港などの手荷物検査でも活用されていますね。

 X線とは電磁波の一種のこと。それを人体に照射して、画像化するのがX線検査です。よく「レントゲン検査」とも呼ばれますが、これは1895年にX線を発見したドイツの物理学者ヴィルヘルム・コンラート・レントゲンの名前が由来となっています。

 X線は肺や皮膚、筋肉などを通過しやすい性質があり、通過した部分は黒く、通過しなかった部分は白く映し出されます。そのため腫瘍や炎症、水がたまったところは白く映し出され、肺炎や結核といった肺疾患を発見することができるというしくみです。  検査時、服にボタンや装飾などがある場合は着替えたり外したりするのも、それらが画像上に白く写り込んでしまうことで、病変を見逃さないためです。

 また検査は、撮影部位以外を放射線から守るため、防護具をつけて行われることもあります。

 胃のバリウム検査も、X線検査の一種です。造影剤などの薬を用いることで、人為的にX線の透過を阻止し、薬剤がとどまった血管や臓器の形を調べます。

 ほかにも、心臓や脳の血管の流れを調べるために、血管にカテーテルという細い管を入れ、造影剤を注入して撮影するカテーテル検査なども、X線を応用した検査になります。

 骨も白く映し出されますから、X線骨密度測定装置にも活用されるなど、全身に行われている検査です。

 X線検査は、1980年代に富士フイルムがX線検査のデジタル化に成功したことで、それまでのフィルムを使ったアナログな撮影から飛躍的に進化しました。

 それにより誕生した検査の一つが、乳がん検査のマンモグラフィーです。専用のプレートで乳房をはさみ平らにして圧迫し、通常のX線検査より波長が長く、透過力が弱いX線で上下左右の2方向から撮影します。小さな腫瘍も見つけることができる検査ですが、画像から詳細な情報を読み取るには医師や検査技師の読影技術も要求されます。

松井宏夫 (まつい・ひろお)|1974年、中央大学卒業。日本ドキュメント・フィルム助監督、週刊サンケイ記者を経てフリージャーナリストに。1991年『名医名鑑』を日本工業新聞社から出版。その後、5冊の名医本が続けて大ベストセラーに。名医本のパイオニアであるとともに、最先端医療など医療全般をわかりやすく解説。テレビの健康番組『たけしの家庭の医学』の監修(〜2020年3月)、ラジオ、新聞、週刊誌、講演などで幅広く活躍している。日本医学ジャーナリスト協会副会長、東邦大学医学部客員教授、日本肥満症予防協会理事。TBS ラジオ『森本毅郎・スタンバイ!』内の「日本全国8時です」(毎月曜8:00 ~)に出演、病気や健康について親しみやすく解説(2014年10月〜 2020年3月)。

※病院・医療については、松井宏夫監修の書籍『最新 病院のすべて 気になる医療業界をまるごと図解』(学研)でもっと詳しく!

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