医療ジャーナリスト・松井宏夫のなぜなに病院ふむふむ医療【第26回】
札幌の住まいと暮らしの情報誌「Sun Clover」vol.37

薬の副作用が心配!

お医者さんのことは信頼していますが、持病やアレルギーがあり薬の副作用が心配です……。

 薬の持つ効能を主作用、それ以外の作用が現れることを副作用といいます。

 薬の成分は体内に入ると血液と一緒に運ばれますから、効いてほしいところに必要なだけ届くというわけにはいかず、別のところで効能を発揮してしまうことがあるのです。

 たとえば、アレルギー性鼻炎の患者が抗ヒスタミン剤を服用したら眠くなってしまった、ということなどがあります。

 また、効能が予想より強く出てしまうことも副作用に当たります。これにはたとえば、糖尿病の患者が食前にインスリンを注射したけれど、何らかの理由で食事が摂れず、低血糖を起こしてしまうといったようなことがあります。

 副作用の事例については、“有害事象”として安全性情報報告制度に基づき収集・データベース化され、全国の医療機関が共有します。薬剤師は調剤時に他科で処方されている薬との相互作用や拮抗作用を調べ、処方箋を書いた医師に疑義照会を行うことがあります。

 薬の副作用にとくに気をつけなければならないのは、妊婦、高齢者、小児です。

 妊婦は胎盤を通して胎児に影響が出てしまう場合があります。高齢者は持病を抱えていることが多く、薬が重複したり、作用が拮抗してしまうことがあります。また代謝機能が低下しているため薬が効きすぎたり、認知能力や視力の低下による誤飲もあります。小児も腎臓や肝臓の働きが成人より弱く、代謝機能が低いため、注意が必要になります。

 どのような薬にも副作用の可能性が潜んでいますから、すべて防ぐことは不可能です。ですから、今までの副作用やアレルギー歴を記録するなど、自覚を持ち、医師や薬剤師に伝えることが大切です。血液検査で自分のアレルギーを把握しておくことも予防につながります。万が一副作用が出てしまった場合は、すぐに主治医に報告しましょう。

松井 宏夫 (まつい・ひろお)| 1974年、中央大学卒業。日本ドキュメント・フィルム助監督、週刊サンケイ記者を経てフリージャーナリストに。1991年『名医名鑑』を日本工業新聞社から出版。名医本のパイオニアであるとともに、最先端医療など医療全般をわかりやすく解説。テレビの健康番組『たけしの家庭の医学』の監修、ラジオ、新聞、週刊誌、講演などで幅広く活躍している。日本医学ジャーナリスト協会副会長、東邦大学医学部客員教授。2014年10月よりTBS ラジオ『森本毅郎・スタンバイ!』内の「日本全国8時です」(毎月曜8:00~)に出演、病気や健康について親しみやすく解説している。

おしらせ

日本全国8時です

毎週火曜よる8時~

 松井宏夫が監修協力する情報バラエティ『名医とつながる!たけしの家庭の医学』(朝日放送、テレビ朝日系列)が、絶賛放送 中です。“ 元気に長生きしたい!” と願うすべての皆様に、どこよりも信頼できる最新情報をお届けしています!ぜひご覧ください。

病院・医療については、松井宏夫監修の書籍『最新 病院のすべて 気になる医療業界をまるごと図解』(学研)でもっと詳しく!

>> なぜなに病院ふむふむ医療 過去の記事一覧へ
>> Sun Clover トップページへ

▲ページトップへ