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札幌の住まいと暮らしの情報誌「Sun Clover」vol.36
医療ジャーナリスト・松井宏夫の なぜなに病院ふむふむ医療【第25回】

「レセプト」という言葉を聞いたことがあるのですが、具体的にどういうものなのでしょうか?

 レセプトとは、診療報酬明細書のことをいいます。都道府県番号、医療機関コードといった医療機関の属性と、保険種別、保険者番号、氏名などの患者の属性、そして傷病名、診療開始日、診療日数などが記されています。

 病院などの医療機関は、健康保険が適用される医療サービスを提供した場合、その明細を審査機関に毎月提出しなければなりません。これにより、患者の自己負担額以外の報酬を受け取るわけです。

 レセプトを審査するのは、国民健康保険の場合は国民健康保険団体連合会、社会保険の場合は社会保険診療報酬支払基金という機関です。医療費の請求が正しく行われているか1件1件審査し、不備や不正がないかをチェックするのです。問題がなければ、レセプトは健康保険組合などの医療保険者に送られます。

 もし傷病名と治療内容に矛盾がある、投薬量が標準より多い、治療の実施回数が適正でないなどと判断された場合、レセプトは医療機関に差し戻されたり、診療報酬を減額されたりします。

 たとえば糖尿病の薬を処方していても、傷病名の欄に「糖尿病」と記載がなければ、不要な薬であると判断されます。また、睡眠導入剤など投与日数制限のある薬の日数が守られているかなども細かくチェックされるわけです。  かつては紙に書かれていたレセプトですが、現在はほとんどの病院や診療所が電子化した上で審査機関に提出しています。

 レセプトは、患者本人が保険者に請求すれば、病名が本人に告知されていないなどの特別な場合を除き、開示されます。医療裁判などでは、レセプトが重要な証拠となったりもするのです。

 また2010年から、患者が希望すれば、病院の会計時にレセプトの簡略版である診療明細書を発行することが義務化されました。これにより、患者は自分で受けている治療の内容をチェックすることができ、病院はそれを説明する責任があります。



松井 宏夫 (まつい・ひろお) 1974年、中央大学卒業。日本ドキュメント・フィルム助監督、週刊サンケイ記者を経てフリージャーナリストに。1991年『名医名鑑』を日本工業新聞社から出版。名医本のパイオニアであるとともに、最先端医療など医療全般をわかりやすく解説。テレビの健康番組『たけしの家庭の医学』の監修、ラジオ、新聞、週刊誌、講演などで幅広く活躍している。日本医学ジャーナリスト協会副会長、東邦大学医学部客員教授。2014年10月よりTBSラジオ『森本毅郎・スタンバイ!』内の「日本全国8時です」(毎月曜8:00~)に出演、病気や健康について親しみやすく解説している。

病院・医療については、松井宏夫監修の書籍『最新 病院のすべて 気になる医療業界をまるごと図解』(学研)でもっと詳しく!

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