サンクローバー vol.27│医療ジャーナリスト・松井宏夫のなぜなに病院ふむふむ医療│小野寺燃料株式会社

医療ジャーナリスト・松井宏夫のなぜなに病院ふむふむ医療
【第16回】病院をとりまく業界

病院の運営において、製薬会社などの営利企業とはどう関わり合っているのでしょうか?

 病院はさまざまな公的機関や民間企業と協力し合いながら、日々の診療を行っています。
 まず公的機関としては、もちろん国、その行政を担う厚生労働省です。医療は、国民の健康を守る基本的なサービスですから、提供にあたっては、いくつもの法律に定められたルールを守らなければなりません。
 地域医療の担い手の一つでもある病院は、地域の保健所とも協働して予防接種や健康診断などの保健事業にも協力しています。
 では、病院をサポートする民間の営利企業には、どういうところがあるでしょうか。
 現在、病院の支払額がもっとも大きいのは医薬品や医療機器などの医療材料です。厚生労働省発表の資料によると、日本における医療用医薬品の生産額は約6兆円(2015年)。一般用などを含めた医薬品全体の市場からすると、医療用は約9割を占めています。
 しかし、利害関係が治療に影響しないよう、病院が直接製薬会社と取引することは禁止されており、間に専門の卸会社が介在します。製薬会社の医薬情報担当者(MR)と医師のやりとりは情報のみであり、売買は行いません。
 そして、ここ数年著しく伸びているのがIT系企業です。これは、病院におけるカルテやレセプト(診療報酬明細書)の電子化、データのサーバ管理が増えているためです。
 ほかにも、在宅医療の普及に伴い、介護系の派遣がさらに増えていくと言われています。
 このように病院は、直接医療にかかわるところから、廃棄物処理、清掃、医療事務やITのアウトソーシングなど、そして病院設備の一部であるレストランやコンビニ、生花店などの委託や賃貸契約まで、さまざまな企業と協力し合って運営されているのです。こうした病院・医療関連の市場は、これからも拡大していくとみられています。

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松井宏夫(まつい・ひろお)

1974年、中央大学卒業。日本ドキュメント・フィルム助監督、週刊サンケイ記者を経てフリージャーナリストに。1991年『名医名鑑』を日本工業新聞社から出版。名医本のパイオニアであるとともに、最先端医療など医療全般をわかりやすく解説。テレビの健康番組『たけしの家庭の医学』の監修、ラジオ、新聞、週刊誌、講演などで幅広く活躍している。日本医学ジャーナリスト協会副会長、東邦大学医学部客員教授。2014年10月よりTBS ラジオ『森本毅郎・スタンバイ!』内の「日本全国8時です」(毎月曜8:00~)に出演、病気や健康について親しみやすく解説している。

病院・医療については、松井宏夫監修の書籍『最新 病院のすべて 気になる医療業界をまるごと図解』(学研)でもっと詳しく!

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