改めて学ぶ “暮らしとお金”   お金の知識06
札幌の住まいと暮らしの情報誌「Sun Clover」vol.42

家を買うか借りるか

「終活」をはじめている70歳を過ぎた元上司に、“一家の柱”としての自覚が少しだけできてきた40代の元部下が、日々の暮らしで知っておくべき「お金」の知識を学びます。

ライフイベントを整理してみる

イラストレーション:おがわまさひろ
https://masahiroll.com

元部下
去年、上の子が高校に入学し、来年は下の子です。わが家の教育資金はまだまだかかります。
元上司
大学を卒業するまでは仕方ありません。私の家も娘が音大に入りたいと言い出したときは慌てました。
元部下
子どもの教育費は予想できると言っても、そういう想定外がありますよね。
元上司
いずれにせよ、教育資金、住宅資金、老後資金といった支出は、必要になったときに慌てて工面しようと思っても、短時間では準備が間に合わない出費です。あらかじめ計画を立てて貯めておく必要があります。
元部下
今まで行きあたりばったりだったかも。
元上司
今からでも遅くないですから、お子さんの進学や家の住み替えなど、これからのあなたの家のライフイベントを整理してみるといいですよ。特に住宅資金は教育や老後の資金と違い、計画も立てやすいはずです。
元部下
私は借家住まいですから、住宅にかかるのは家賃だけです。いずれは親の家を相続するので、家を買うかどうかはずっと迷っています。同僚たちはみな家を買っていますが。
元上司
日本人の持ち家志向は、地方から都会に出た人たちが多かった高度経済成長期の名残りだと言う人もいますね。私もそうですが、実家は兄が継ぐことになっていましたから、出て来た都会で自分の家を持ちたいと思いました。田舎は持ち家が当たり前でしたから、﹁家を持って一人前﹂という考えもありました。
元部下
一国一城の主ってやつですね。
元上司
でも、住宅ローンを抱えたり、混んだ通勤電車に長く乗らずに、仕事や子どもの学校など、その時々の家庭の状況にあった環境や間取りで、所得に応じた家賃の家を賃貸で住み替えればよかったかなとも思っています。
元部下
買うのと借りるの、どっちが得なんでしょうか。
元上司
いろいろな見方がありますから一概に言えません。10万円で35年の住宅ローンを組んだ人の50年間と、10万円の家賃を50年払う人との支払額はほとんど変わらないという計算もあります。
元部下
どうしてですか。
元上司
ローン支払い中の諸費用、完済後の固定資産税や修繕費、マンションなら管理費や修繕積立金など諸々の合計と、家賃+更新料との比較です。持ち家の修繕費は自前で、賃貸ではかかりません。
元部下
でも、老人に家は貸さないのではと心配する人もいます。
元上司
高齢化社会が進みそういうこともなくなるでしょう。長生きを前提にすれば、ローン完済後の家を担保に老後資金の融資を受けられるという持ち家のメリットは魅力です。
元部下
持ち家は財産ですもんね。
元上司
ほとんどの場合、資産価値は払った金額には見合いませんが、家賃払いだと何も残りません。それでも、経済力や家族の状況に応じた住み替えの自由を保ち、人生を楽しみたいという賃貸派は増える傾向があるようです。
元部下
ますますどっちが得かわかりません。
元上司
いきなりではありません。子その人の生き方、考え方によるとしか言えません。費用の高い安い、払って得か損かも、このようにその人の生き方、考え方によるのです。

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