改めて学ぶ “暮らしとお金”   お金の知識05
札幌の住まいと暮らしの情報誌「Sun Clover」vol.41

生涯の収入と支出

「終活」をはじめている70歳を過ぎた元上司に、“一家の柱”としての自覚が少しだけできてきた40代の元部下が、日々の暮らしで知っておくべき「お金」の知識を学びます。

未来のお金の先取りはできない

イラストレーション:おがわまさひろ
https://masahiroll.com

元部下
前回のお話だと、サラリーマンの生涯での収入と支出を考えると、計算上は赤字になってしまうと聞きました。どうしましょうか。
元上司
そうならないようにどうするか、やはりお金のことは計画的に考える必要があります。2人以上の勤労家庭の 消費支出は月31万円ぐらいとされていますが、これは、食料費、住居費、光熱費、被服費、教育費、教養娯楽費、交通通信費、保健医療費等です
元部下
ふだん払っている生活費ですね。
元上司
これに対して、直接税や社会保険料といった消費を目的としない支出を非消費支出と言います。実は、これも相当な金額なんですが。
元部下
やっぱり。だから税金は払いたくないんです。
元上司
そういうことを言う人に限って、税金の恩恵をたくさん受けているんですがね。それはともかく、可処分所得とは実収入から非消費支出を引いたものを言います。これが必要な生活費と比べて少なければ赤字です。
元部下
わが家では私の教養娯楽費であるお小遣いを削って赤字を免れようとしています。
元上司
パチンコ代も含まれる教養娯楽費の月平均は約3.2万円です。食料への支出がその倍以上の7.7万円。
元部下
一番、お金を払っているのは?
元上司
食料、交通・通信、光熱・水道、住居、教育といった順ですが、年代によって金額や割合が違います。
元部下
40代だと?
元上司
教養娯楽や教育の比率が他の世代に比べて高くなります。20代は住居や被服の比率が高くなっています。
元部下
やはり我々40代は教養娯楽や教育にお金がかかります。
元上司
年齢別に消費支出をみると、年齢が上がるにつれて上昇し、50歳代をピークに減少します。70代になると住居や教育、交通・通信などの比率が低くなり、その分、食料などの比率が相対的に高くなります。
元部下
70歳になれば子供の教育費もかかりませんし、住宅ローンもないでしょうからね。お金は余りますよね。
元上司
でも、収入は年金だけです。
元部下
あっ、そうか。
元上司
単純な収支だけでなく、人生のどのタイミングでどういうお金が必要で、どれだけお金が入ってくるか、そういうことについての計画性を多少は持っていないと困ったことになるのです。
元部下
去年、子供の入学金がいきなりかかって大変でした。
元上司
いきなりではありません。子供の入学金がかかることは、生まれた時点で分かっていることです。
元部下
確かに、生まれた時にはそう考えました。
元上司
子供一人あたりの生涯教育費は平均で1000万円と言われています。私立に入ったり、大学だけでなく大学院に進学するようになればさらに必要です。
元部下
お金がかからなくなる30年後から先取りしてくるわけにはいきませんかね。
元上司
未来のお金を持ってくるわけにはいきませんね。でも、あなたのように、老後を迎えた親に無心している人は少なくありません。
元部下
無心だなんて……少し、出してもらいましたけど。
元上司
ほらね。そのように、いつまでたっても子供にはお金がかかるのです。

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