改めて学ぶ “暮らしとお金”   お金の知識04
札幌の住まいと暮らしの情報誌「Sun Clover」vol.40

その4 生涯の収入と支出

「終活」をはじめている70歳を過ぎた元上司に、“一家の柱” としての自覚が少しだけできてきた40代の元部下が、日々の暮らしで知っておくべき「お金」の知識を学びます。

サラリーマンの生涯収支は赤字!?

イラストレーション:おがわまさひろ
https://masahiroll.com

元上司
納税は国民の義務ですが、その前提としては収入や財産があるということです。
元部下
いくら国でも、無一文からは税金も取れませんよね。
元上司
また、そういう言い方をする。では、あなたはいくらぐらい稼いでいるのですか。
元部下
元上司のあなたがよくご存じだと思いますが。
元上司
超一流企業のようではありませんが、まあ世間並みの給料ですよね。
元部下
そうですか。私は安いと思いますが。
元上司
あの働きぶりであれだけもらえるなら良しとしなさい。各種調査によれば、大卒男性の生涯賃金はだいたい2億7000万円ぐらいのようです。退職金や雇用延長があればもっと多いはずです。でも、大卒女性や高卒男性の平均はそれより5~6000万円低いなど、性差や学歴によって違います。さらに正社員か非正規かでも大きく違います。仮に非正規なのに正社員と同じ仕事をしていたとすると、理不尽ですね。しかも厚生年金は現役時代の給与に応じて金額が決まりますから、リタイア後も不利ですね。
元部下
厚生年金は給料が高かった人はもらえる額も多いのですよね。
元上司
給料から引かれる厚生年金は、同額を会社が払っています。その額は給料に応じて高くなりますが、月給63万5000円が上限。つまり、月給63万円の人も100万円の人も払う年金は一緒で、当然、もらう年金も一緒になります。
元部下
将来もらう年金はともかく、いま現在、給料からはいろいろ天引きされています。
元上司
所得税や住民税のほか、社会保険料の厚生年金と健康保険料、雇用保険料や介護保険料などですよね。それらで2~3割が引かれます。
元部下
生涯で8100万円の天引きです。
元上司
そういう計算は早いですね。65歳からもらえる厚生年金は、平均で14万3761円ですから、85歳まで生きれば3450万円は取り返せます。
元部下
4600万円赤字。
元上司
払った年金分のモトはとっていると思いますよ。それよりも、生涯で支払う分が収入に対してどうかを見ておかねばなりません。生涯支出はどのぐらいかわかりますか。
元部下
考えたことがありません。家内は毎月赤字だと言って、私の小遣いを減らそうとしていますが。
元上司
総務省の家計調査では2人以上の勤労家庭の消費支出は月31万円ぐらい。これに天引き分を加えて年間約490万円の支出。40年勤務すれ ば1億9600万円です。
元部下
差し引き7400万円ですね。でも、これって平均ですよね。我が家の場合はもっと少ないかも。
元上司
でもここには住宅や車のローンは入っていません。高校入学から大学卒業までで1000万円近くかかる子供の教育費も加算したらどうなりますか。
元部下
我が家は赤字です。
元上司
リタイアした後は年金収入と生活費等の支出との収支を考えますが、年金が支出を大きく上回ることは考えにくい。
元部下
生涯収支は赤字ってことですか。大変だ。
元上司
そうならないようにどうするか。もう少し考えてみましょう。

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