小野寺燃料

札幌の住まいと暮らしの情報誌「Sun Clover」vol.36
~暮らしにまつわるエトセトラ 31~

Honne and tatemae

 日本人は「本音と建前」を使い分ける民族だと言われています。たとえば「飲み会があるけど、来ない?」と誘われたとき、外国人ならば「No, thanks」ときっぱり断るのに対し、日本人は「行けたら行く」などと答えてしまう……本当は行きたくないけれど、曖昧に濁してしまうことが往々にしてあります。「行けたら行く」と言って本当にくる人などほとんどいないのに、一応建前として、こういった言い方をしてしまうわけです。

 「本音」とは嘘偽りない本心を指しますが、「建前」とは何でしょうか。

 実はもともと建築用語で、主要な柱、梁、棟木などを組み立てることや上棟式のことを言います。諸説ありますが、建前が済めばどんな建物になるかが大体わかるため、表立った指針をこう呼ぶようになったのだとか。本来は建物の基本ができあがるおめでたい言葉なのですね。

 本心の裏返しである「建前」は、なんとも微妙なラインの表現です。「行けたら行く」という言葉には、一応行かない可能性も含んでいますから、嘘をついているわけでありません。直接的な表現をすることが必ずしもいいとは限らず、時に建前は、相手を傷つけない優しさの役割を果たすこともあるでしょう。

 英語圏などでは、そのまま"Honneand tatemae" と言われることもあるのだとか。いかに日本に根付いている表現なのかがわかりますね

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