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札幌の住まいと暮らしの情報誌「Sun Clover」vol.40

007とJAZZ

 先日、映画「007」の初代ボンド役のショーン・コネリー氏が90歳で永眠したと新聞に掲載されていた。「ドクター・ノオ」「ロシアより愛をこめて」、日本が舞台になった「007は二度死ぬ」などに出てくる、見たことのない新しい武器や、時代の先端をいくボンドカーなどにワクワクしたものだ。そして、ボンドガールは作品に華を添えていた。

 「007は二度死ぬ」に出てきたボンドカーはトヨタ2000GTで、今見ても古さを感じさせない名車だった。ジェームズ・ボンド役 がショーン・コネリーからほかの俳優に変わったときは、何か違った映画を見ているような違和感を覚えたものだ。テーマ曲を歌っ たシャリー・バッシーの音楽もダイナミックで記憶に残っている。

 ここで紹介したいCDが007と何か関係あるかといえば、まったく関係ない。でも、いつか紹介したいと長年その時を待っていた。なぜかといえば、007の映画もそうだが、人をワクワクさせてくれるところや、次に何が起こるかわからないスリル、カラッとしたエロティシズム(情念)、全曲聴き終わったときの心地よい疲労感。そこが共通点かもしれない。それと、CDジャケットのデザインが映画のイントロに出てくる007が放つ弾痕に似ている。デザイン的には好きになれないが、そう見るとスリルがあるかもしれない。

『GIANT STEPS』
TRIO ACCOUSTIC

 今回紹介したいアルバムは、トリオ・アコースティックの『GIANTSTEPS』だ。

 トリオ・アコースティックはハンガリー出身で、ピアノのゾルタン・オラーとベースのピーター・オラー兄弟を中心に1994年に結 成された。ベースのピーターは若い頃に運びやすいエレキベースを買ってきて、アンプも必要だと言うと音楽家の父親は、「そんなものを使ったら女々しい音になる」とアンプ無しで練習させたという。だからピーターのベースは力強い太い音色なのだろう。

 アルバムタイトルの「ジャイアント ステップス」ではピアノの目まぐるしい疾走感を味わい、「モスコー ナイト」と「サム アザー タイム」は哀愁を帯びてしっとり聴かせる。

 コール・ポーターの「イッツ オールライト ウィズ ミー」は弾けんばかりの太いベースの音とジェットコースターのような疾走するメロディーを弾きまくるピアノに、和太鼓を叩いているのではと思わせるようなドラムの音が絡み合う。この曲は他人に迷惑がかからない程度の爆音に身をゆだねて聴いてほしい。

 全曲聴き通すとダイナミックでハードかつ耽美的な演奏に、それこそハードボイルドなアクション映画を見終わったときの心地よ い脱力感に襲われる。

 今宵は暖かい部屋でギンギンに冷えたズブロッカでも吞んで、身も心も温めてください。

Mr. Vee Jay より

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