Mr.Vee JayのJAZZナビ   札幌の住まいと暮らしの情報誌「Sun Clover」vol.38

愛しきJAZZ

『Beginning to See the light』

 前号で紹介したライブが行われたのが2020年2月8日で、そのときは新型コロナウイルスの話題は、中国だけのことで対岸の火事だと思っていた。まさか2週間後に全道の小中学校が休校になり、緊急事態宣言が出て不要不急の外出を自粛要請されるとは誰も思っていなかった。

 中国からヨーロッパに拡大し、3月にはWHOが「パンデミック(世界的大流行)」と表明した。全員がマスクをするようになり、人と向かい合うところにはビニールが張られ、人との距離を2m開けなければならなくなった。

 大好きなライブハウスも自粛で休業になり、ジャズ好きな友人にも会っていない。この新型コロナウイルスは自覚症状が無くても感染していることがあり、人にうつすかもしれないという恐怖心が働き、人と人とを遠ざけてしまう二次的弊害が発生している。今後、新型コロナが治まっても、今までのような生活に戻れないのではと心配になる。杞憂に終わってもらいたいものだ。

 今回紹介したいCDアルバムは、外出自粛で自宅ジャズを強いられている方にぜひ聴いてもらいたい。横濱ジャズプロムナード・オールスターズの『Beginning to See the light』。このアルバムは、四半世紀以上続く横濱ジャズプロムナードを立ち上げて、「ジャズの街ヨコハマ」に尽力した柴田浩一氏が昨年食道ガンになり、彼を励まそうとノーギャラで集まった柴田氏と親しいジャズメンの1日限りのジャムセッションで実現した。

 「YOKOHAMAJAZZ PROMNADE ALL STARS」としての奇跡的に豪華なライブアルバム。大橋巨泉氏の娘の豊田チカが歌う「Smile」から始まり、ちぐさ賞第1回目受賞者の金本麻里が熱唱する「Caravan」へと続く。そして、ビッグバンドが好きな柴田氏のために用意した「Take the “A” train」や「Mood Indigo」でスイングする。

 最後の曲「Iʼm Biginning to See the Light」(希望の光が見えてきた)は、第4回目のちぐさ賞受賞者の和田明が歌い、小川恵理沙(第3回目)、宮脇惇(第6回目)と「ちぐさ賞」受賞者が参加。柴田氏の回復を願って、ジャズを愛した柴田氏に全力を捧げている。残念ながら柴田氏は今年3月31日、闘病の末帰らぬ人になってしまった。

 柴田氏が好きなピアニスト、板橋文夫の「For You」が何とも切なく哀愁が漂い、ライナーノートに「ジャズプロムナードで最後に演ってほしい」とあるが、正しく柴田氏に捧げられた美しい曲になっている。

 このSun Cloverが発行される頃には、自粛要請が解除されてジャズを聴きに行けることを切に願う。

Mr. Vee Jay より

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