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相続税を払うことになったら、一定の期間内に税務署に納めなれば罰せられます。しかも、土地建物などの財産を相続しても、相続税は原則として現金払いですから、払う準備が必要です。それが相続対策です。
相続対策は「遺産分割」「納税資金」、そして「節税」の3つの対策が主です。このうち遺産分割の対策は、相続税がかかる・かからないにかかわらず、すべての人が考えておくべき問題です。相続人の間で無用なトラブルを生じさせないためには、遺言などによりしっかりと分配を書き残しておいたり、生前贈与しておくなどの方法があります。
一方で、納税資金や節税の対策は、相続税がかかる人がしっかりとやっておかねばならない事柄です。
現在、相続税の物納はとてもやりにくい制度になっていますから、現金の準備が必要です。そのための方法として、アパートなどの収益を生む財産を子供に贈与する人もいます。自分に入るお金を子供の方に移し、将来子供が払う税金をためておきます。また、被相続人が生命保険に加入し、受取人を子供など相続人にしておけば、死亡保険金を納税資金にすることができます。
節税対策としては、計画的・長期的な贈与をしたり、配偶者控除の活用や所有不動産を賃貸用にしたりする方法などがあります。借金をして財産と相殺させれば税金がかからないというのも対策の一つですが、失敗すると莫大な〝負の遺産〟を背負いかねません。かつてバブル崩壊で、多くの人が苦しみました。
課税遺産総額を下げる対策としては、養子縁組という方法もあります。子供を増やして相続税の基礎控除や生命保険金等の非課税枠を広げるのです。何年か前に、東南アジアの子供を大勢養子にしていた資産家のことがニュースになりました。
戦国時代、大名たちは、財産だけでなくわが身の安全を保つためにも、さかんに養子縁組を行いました。戦国の世を終わらせる織田信長も、娘や妹、甥、姪を他家に養子に出すことで、同盟関係を強めようとしました。浅井家に嫁いだ妹のお市は有名です。
信長の死後、天下を取った豊臣秀吉は、実子ができなかったため、多数の養子をとります。その中には、織田信長の四男・秀勝、伊達政宗の長男・英宗、徳川家康の次男・秀康など、大物の子供もいました。その中で、秀吉の跡取りとなったのは姉の息子だった秀次。秀次は関白に就任したものの、秀吉の実子・秀頼が生まれた後、謀反の疑いで自刃させられます。相続対策はいまも昔も大変でした。くれぐれも計画的に。
相続についての情報をお届けした「『引継ぎ』のお話」も今号が最終回です。多くの方の相続に関する関心は、親の財産はどれだけもらえるのか、子にどれだけの財産を残せるのか、そして相続税はいくらかかるのか、といったことだと思います。
しかしながら、相続とは、単に財産を引き継ぐことではありません。その家の伝統や流儀、その人の考え方、生き方など、先代から次代に「伝えたいこと」「伝えるべきこと」はたくさんあるはずです。金銭に換算できないことを引き継ぐ、それこそが相続であり、金銭はそれに付随して結果的に引き継ぐもの。多くの人がそう考えれば、世間の相続トラブルも少しは減るかもしれませんね。
(連載執筆・諏訪書房相続研究会)