イラストレーション:おがわまさひろ https://masahiroll.com
災害の記憶を語り継ごう 05 年々激しくなる豪雨。土砂災害に注意
70代後半の祖父が中学2年生の孫・太郎に、過去の災害について話し聞かせ、日常の防災の大切さを伝えます。今回は年々激しくなっている豪雨とそれによる土砂災害への注意です。
ハザードマップで危険度をチェック
- 太郎
- 大雨の後に土砂崩れがあったっていうニュース、多いね。
- 祖父
- 土砂災害は増えてる気がする。年々、豪雨がすごくなっているからな。洪水で土砂が流れたり、地盤が緩んで土砂崩れが起きたりする。
- 太郎
- 前に豊平川が氾濫したって話があったよね。
- 祖父
- 1981年の豪雨だ。お前のお父さんもまだ小さかった時だ。
- 太郎
- あの時も土砂災害って、あったの?
- 祖父
- 大雨は3日続いたんだが、3日目に豊平川の支川の野々沢川の国道橋と付近の住宅が、流出土砂で埋まった。
- 太郎
- 川から土が流れてきたの?
- 祖父
- あの時は、上流の土砂よりも、中流で川岸を削って出た土砂が運ばれてきた方が多かったみたいだ。
- 太郎
- 土石流っていうのをニュースで聞いたことがあるけど、土と石が流れてくるの?
- 祖父
- 長雨や集中豪雨で山腹や川底の石、土砂が一気に下流へと押し流される現象が土石流。時速20〜40㎞という速度で一瞬のうちに家を壊滅させてしまう。
- 太郎
- そんな速くちゃ、逃げられない。
- 祖父
- 山鳴りがしたり、腐った土の臭いがしたり、川に流木が流れていたりと前兆はあるみたいだが、起きたらアウト。危険なところに住んでいる人は警報が出たら避難。いや出る前に早めの避難だ。避難する時は、川は渡らず、川に対して直角の方向のなるべく遠くへ。
- 太郎
- 危ないところかどうかって、わかるの。
- 祖父
- 市のホームページに土砂災害危険箇所や警戒区域等の地図、ハザードマップがあるから、チェックしておくといい。川から直角方向の避難所も知っておくこと。
- 太郎
- がけ崩れとか地滑りとかもあるよね。
- 祖父
- がけ崩れの前兆は、2〜3時間前から湧水が増えだし、1〜2時間くらい前からは小石がバラバラ落ち始める。逆に地滑りの前兆は、湧水が枯れたり周囲の池や沼の水かさが急に変わること。地中の地下水が動いているから、それで周辺の地面が一気に流れ落ちる。
- 太郎
- そういうことが起きるかもしれないところも、ハザードマップでわかるの?
- 祖父
- わかる。とにかく家の周りの河川や地盤の状態を良く知っておくことが大事だ。斜面に造成して建てられた住宅地は念入りに調べた方がいい。
- 太郎
- オッケー。
▼土砂災害危険箇所▼
https://www.city.sapporo.jp/kikikanri/higoro/fuusui/dosha_kiken.html
▼土砂災害警戒区域等▼
https://www.city.sapporo.jp/kikikanri/higoro/fuusui/dosha_keikai.html
知っておくと便利なWebサイト
▼札幌市危機管理対策室(避難等に関する情報)▼
https://www.city.sapporo.jp/kikikanri/
▼札幌管区気象台(気象情報)▼
https://www.jma-net.go.jp/sapporo/
▼国土交通省「川の防災情報」(河川の氾濫危険度や自宅等のリスク確認)▼
https://www.river.go.jp/index