サンクローバー vol.45|災害の記憶を語り継ごう|小野寺燃料株式会社

札幌の住まいと暮らしの情報誌「Sun Clover」

イラストレーション:おがわまさひろ https://masahiroll.com

災害の記憶を語り継ごう 天災は忘れた頃にやってくる

70代後半の祖父が中学2年生の孫・太郎に、過去の災害について話し聞かせ、日常の防災の大切さを伝えます。

「北海道は地震が少ない」は迷信

祖父
北海道胆振東部地震、あれはいつだったかな。
太郎
札幌が停電した地震のこと、覚えてないの? 認知症?
祖父
うるさい。最近のことは忘れやすいんだ。
太郎
4年前の2018年。僕は小学生だから、ぜんぜん最近じゃない。でも、くわしいことは忘れちゃったかも。
祖父
そうか。だとするとそろそろ大きな地震が来る。
太郎
どうして。
祖父
天災は忘れた頃にやってくると寺田寅彦が言っている。
太郎
誰だ。
祖父
寺田。知らないのか。
太郎
知らないけど、その俳句は聞いたことがある。
祖父
俳句じゃない。格言だ。
太郎
でもさ、北海道は地震が少ないから安心だってお父さんが言っていた。
祖父
あいつはそういう間違ったことを平気で子供に教えるから困る。2003年の十勝沖地震の後に、専門家は「北海道は地震が少ないというのは迷信だ」と言っていた。
太郎
なんでそんな迷信になったのかな。
祖父
北海道には大昔からの災害の記録や言い伝えが残っていないからだ。せいぜい江戸時代の道南の松前藩のものぐらい。近年の調査では、北海道は太古以来、火山の噴火、大きな地震や津波に何度も襲われていることがわかってきた。
太郎
お父さんは大きな地震にあってないのかな。
祖父
ずっと札幌にいたからな。十勝沖地震の時も結構揺れたけど札幌での被害はない。その前の十勝沖地震の方がマグニチュードが大きかったな。
太郎
いつも思うけど、マグニチュードと震度って、どう違うの。
祖父
マグニチュードは地震の大きさや規模で、震度は揺れの強さ。だから同じ地震でも場所によって震度は違う。同じぐらいの震度でも場所によって被害が違う。
太郎
そういえば、地震の時に家が傾いたところがあったね。
祖父
清田区あたりの液状化が大変だった。過去に被害が大きかったところは、また似たようなことが起きる可能性があるから対策や準備が必要だ。
太郎
昔の災害は、ちゃんと覚えてないといけないんだね

北海道周辺で発生した大地震

昭和27(1952)年3月4日 十勝沖地震 M8.2 日高、十勝、釧路地方を中心に被害、死者28名、行方不明者5名
昭和43(1968)年5月16日 十勝沖地震(三陸沖北部地震) M7.9 函館、青森を中心に被害、死者52名、負傷者330名
平成5(1993)年1月15日 釧路沖地震 M7.5 釧路、十勝地方を中心に被害、死者2名
平成5(1993)年7月12日 北海道南西沖地震 M7.8 渡島、檜山、奥尻島に被害、死者202名、行方不明者28名
平成6(1994)年10月4日 北海道東方沖地震 M8.2 釧路、根室地方を中心に被害、負傷者436名
平成15(2003)年9月26日 十勝沖地震 M8.0 日高、十勝、釧路地方を中心に被害、死者1名、行方不明者1名、負傷者847名
平成30(2018)年9月6日 北海道胆振東部地震 M6.7 勇払郡厚真町を中心に被害、死者43名、負傷者782名
札幌の震度は東区で6弱(観測史上最大)

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