健康と平和 ~巷の健康法を調べてみる~【第30回】
札幌の住まいと暮らしの情報誌「Sun Clover」vol.41

火を貸してください

 緊急事態宣言が出ているのに銀座のクラブをハシゴした議員が、世間から大いに叩かれた。彼は、飲みに行ったのではなく陳情を受けに行ったと説明した。つまらない言い訳をしやがるとワイドショーを見ながら思ったが、世間に隠す必要はなく、妻には隠れながら銀座に行っていた頃を思い出した。

 陳情とは、国民が公的機関に問題の実情を陳述し要求する行為だと辞書に書いてある。だが銀座のお店では議員だけでなく、一般人も陳情を受ける。クラブのママやホステスさんの中には、いろいろと頼みごとをしてくる人がいる。ボトルを入れろとか、今度ゴルフに行こうとか、鮨を食べさせろとか。頼みごととは「陳情」である。なるほど、議員は陳情を受けに行ったのである。いつものように秘書に任せりゃ叩かれずに済んだのに。

火を貸してください  もっとも、別にホステスたちも真剣にねだっているわけではないようだ。客も真剣に受け止めるわけではなく、「また今度な」と言ってすます。頼みごとをされるというのは、自分がそれを実現する能力があると見られているわけだから悪い気はしない。しかも、相手はその頼みごとの実現をそれほど期待していないと分かっていれば、店での陳情は社交辞令のお世辞の範疇で、いたって気が楽だ。議員が銀座の店の陳情を、秘書に任せず自分で行った理由が分かった。

 ところで、昔はそういうお店でタバコをくわえると、ホステスがライターやマッチで火をつけてくれたものだ。添えた手をわざとこちらの手に触れるようにして。タバコに火をつけるという行為を、目上の者が目下の者にするということはまずない。商談中に「おタバコに火をお付けしましょう」などと言ってくるセールスマンは要注意だが、自然と序列、隷属の意を表すサービス行為の一つだ。それを女性にされればオッさんは気分が良いから、陳情も受け付けてしまうかも。「ねぇ、早くコロナを止めてぇ」。「また今度な」と国会議員は言ったのか。

 マッチ擦るつかのま海に霧ふかし身捨つるほどの祖国はありや(寺山修司)

禁煙でコロナ予防

 喫煙が体に悪いことは承知していても、もう何年も吸っているのだからいまさら止めても……と考える愛煙家もいるようです。確かに肺がんリスクを下げるには数年の禁煙が必要ですが、効果がテキメンに現れることもあります。タバコを吸わずに20分後に血圧と脈拍を計れば、喫煙時より確実に下がります。で、手足の温度も上がります。8時間で血中の一酸化炭素濃度が下がり、酸素濃度が上がります。24時間で心臓発作のリスクが低下、1~9カ月程度で気道の自浄作用が改善し、新型コロナウイルスなどの感染症にもかかりにくくなるのです。

中川順一|諏訪書房代表、ライター。小野寺燃料非常勤取締役。1960年生まれのメタボ中年。
※このコラムは特定の健康法やダイエットを推奨あるいは否定するものではありません。

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