健康と平和 ~巷の健康法を調べてみる~【第29回】
札幌の住まいと暮らしの情報誌「Sun Clover」vol.40

ゼッタイゼツメイ

 部下を叱るときに気が弱いものだから「まぁ、自分もそういうところがあるけど」とつい言ってしまう。部下は「なんだ、あんただってそうなんだろ」と思うから効果は半減する。相手が子供の場合は、なおさらである。叱るときに余計なことを言う必要はない。「人のモノを盗んではいけない」と泥棒が説教しても、言っていることは正しい。

 5人以上の会食は自粛しようと政府が言っている最中に、総理大臣が8人で会食した。すぐ帰るつもりだったと弁解していたが、高級ステーキ店で突き出しの牛肉の大和煮だけをつまんで帰ることなど僕にはできない。「国民に誤解を与えた」と総理は反省していたが、誰も誤解などしていない。

 ときに人は矛盾した言動をとる。小津安二郎の映画で、娘の結婚について矛盾したことを言っていると妻の田中絹代に責められた夫の佐分利信は「矛盾の総和が人生だと言った学者がいる」と言い返すが、その学者は誰かわからない。世の中は矛盾に満ちている。自粛とGoTo、矛盾の総和がコロナ対策だ。

ゼッタイゼツメイ  5人以上の会食自粛がゼッタイに正しいのかどうか、その議論はしないが、肉食は免疫力を上げると言っている学者がいる。動物性たんぱく質の一種が感染症、脳卒中、心筋梗塞に効くらしい。総理と会食した二階さんも王さんも80歳以上で、みのさん も杉さんも76歳の後期高齢者である。みんな元気に肉を食っている。国家の中枢やその周辺の人は、コロナ対策の秘策を何か知っているのかもしれない。

 一方で、肉食は体に悪いという説も依然根強い。肉は野菜に比べ消化にエネルギーを要するから体に余計な負担をかけるとか、血液がドロドロになるとか、腸内で腐敗して毒素が体中に回るぞと脅すベジタリアンもいる。

 毒が回るのは怖い。で、毒を出すのは運動がいいらしい。運動で血液の循環を良くし、汗をかいて代謝を良くすることが大切で、そうすれば免疫力も上がるらしい。もっとも過度な運動は体を壊す。「ゼッタイ」を追求すれば矛盾が増える。ゼッタイはゼッタイにないのである。

適度な運動とは

 健康のための運動で大切なのは「安全」で「効果的」で「楽しい」こと。安全でも効果がなければダメ。効果があってもケガをする危険が高ければダメで、楽しくなければ続きません。長く続いて効果があるのは「適度な運動」。厚生労働省のホームページに運動時間と心拍数の目安が出ています(健康づくりのための運動所要量)。1週間の推奨運動時間と1分間の目標心拍数は、30代170分・125拍、40代160分・120拍、50代150分・115拍、60代140分・110拍。70歳以上は書いてないので推定するしかありませんが、「会話しながら運動できる」がひとつの目安のようです。

中川順一|諏訪書房代表、ライター。小野寺燃料非常勤取締役。1960年生まれのメタボ中年。
※このコラムは特定の健康法やダイエットを推奨あるいは否定するものではありません。

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