健康と平和 ~巷の健康法を調べてみる~【第27回】
札幌の住まいと暮らしの情報誌「Sun Clover」vol.38

すでにヘイセイを失った

 2月から憂鬱な日々が続いている。思わずカラオケで、昭和のスター・小林旭の『自動車ショー歌』を♪ここらで止めても…♪と絶唱したいと思ったが、不謹慎だからやめた。それにカラオケ屋もやっていないし。

 以前、三密のお店で飲んでいたら、女の子がカラオケで尾崎をやってくれと言う。それじゃあと『また逢う日まで』を入れろと言ったら、違うと言う。彼女は、尾崎豊をやって欲しかったそうだ。俺が似ているからか、と聞くと、「違う違う」と言う。違うは一回でいい。同世代なら尾崎豊だろうと思ったらしい。彼は昭和最後のスターの一人で、平成になって早々に亡くなった。

 平成の終わり頃、彼の歌をCMに使ったらクレームが来て放送中止になった。♪盗んだバイクで走り出す♪が、青少年に悪影響を与えるのだそうだ。昭和の頃もバイクを盗むのはいけないことだったが、平成では歌ってもいけなくなった。おじさんは昭和を懐かしんだ。

 森繁のサラリーマン映画が流行った頃の部長さんの中には、挨拶代わりにOLのお尻を触る人がいた。昭和の頃もお尻を触るのはいけないことだったが、「まったく部長ったら」ですんだ。でも平成後期以降にそれをやったら、クビになって退職金がもらえなくとも文句が言えない。おじさんは昭和を懐かしんでもいけない。

すでにヘイセイを失った  時代は変わった。平成時代にひたすら昭和を懐かしんでいたら、令和になっていきなりコロナである。緊急事態宣言が解かれても「新しい生活様式」で「新しい日常」を営めと言う。国家はそのために、国民に10万円と小さなマスクを配った。

 新しい生活様式では、食事中は話をするなという。永平寺の修行僧のように無言になれというのか。さらに映画『家族ゲーム』のように、横並びで無言の食事が推奨されている。

 今後は、女性にうっかり「今度お食事でもご一緒に」と言ったら、ホテルに誘ったような目で見られるかもしれない。

 時代は変わった。文句ばかり言っていたが、平成が懐かしい。

食育のポイント楽しく食べる

 食事は栄養補給だけが目的ではない。食べるプロセスや食べる場も大切。食育では、親子で一緒に料理をしたり、食についての知識や情報を得ていくことも重要。そして食べる場では、「食事を楽しむ」ことも忘れてはならない。「これ美味しいね」「これ、何が入ってるの?」「どうやって作ったの?」…… そんな会話が、子供の成長に必要な知識や感性、社会性などを身につける一助となる。

 会話が弾む楽しい食事の場は、家族間だけでよいわけではない。ほかの家族や友人たちと食事を通じて楽しむ場が、何の心配なくできるように早くなってほしいものだ。

中川順一|諏訪書房代表、ライター。小野寺燃料非常勤取締役。1960年生まれのメタボ中年。
※このコラムは特定の健康法やダイエットを推奨あるいは否定するものではありません。

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