小野寺燃料

札幌の住まいと暮らしの情報誌「Sun Clover」vol.34
健康と平和~巷の健康法を調べてみる~【第23回】

トコロとココロ

 婚式で久々に会った姪も、法事のときの伯母も、毎朝の妻も、毎月会う女医も、とにかく痩せろと言う。わかっちゃいるけどやめられない食欲だ。食欲があるのだから健康なんだろうと抗弁するが、そういうのが不健康なのだと周囲は口々に言う。食うのをやめて老後の2000万円を貯めろというのか。
 食べる衝動を抑えられないなら食べるものを変えればいいと、ネットでトコロテンを買った。どうせなら美味しいのがいいと高いのを選んだら、高級だからではなく数が多いから高いとわかった。段ボール入った大量のトコロテンが届いたが、3日食べて飽きた。あと23食の賞味期限は1か月だ。
 心太と書いてトコロテンと読むことを知ったのはいつだったか。なぜ心太なのか、理由は今も知らない。でも、一心太助が大久保彦左衛門の子分であることはテレビ時代劇で知っていた。
 スルメイカをアタリメと言うことは知っていた。「スル」は「損をする」ことだからと商人たちが嫌がって「アタリ」に言い換えたのだと、確か高校の現代国語の時間に教わった。なのに、大学生になって一人暮らしを始めたとき、アパートの近所のピンクサロンの電飾看板に書いてある「当たり女500円」の意味が分からなかった。アタリオンナって、何をするのだろうか。半裸の女が突進してくることを妄想していたある日、別の居酒屋で「アタリ女150円」のお品書きを見て合点した。「女」を「メ」と読めばいいのかと国文学科の学生は初めて知ったのである。


 勤めているときに、飲み屋で毎回「身欠きにしん」を「ミケツニシン」と発音する上司がいた。間違いなのかわざとなのか、それがわからないのに誤りを指摘するのは勇気がいる。というよりも、普通の人は自身に害がなければスルーする。アタリメだろうがアタリオンナだろうが構わない。その点、間違いであろうがわざとであろうが、その食生活と結果としてのワタクシの腹回りを断固批判する人々が周囲にいることは、アリガタイと思うべきだろう。感謝のココロでトコロテンを食う。

中川順一
諏訪書房代表、ライター。小野寺燃料非常勤取締役。
1960 年生まれのメタボ中年。

効果? 不効果? ぶらさがり健康器

 1978年に「ぶらさがり健康器」の大ブームがあった。正式名称は「サンパワー」といい、1日になんと20万台も売れたという。しかし翌年にはブームが去り、その翌年には大量在庫で会社も倒産したらしい。この器具“発明”のキッカケは、「ぶらさがり健康法」。体重を支えられる器具に1日1分程度ぶらさがることで背筋を伸ばせば、肩こり、腰痛、内臓の疾患などに効果があるというもの。
 わが家にもあったが、すぐにぶらさがらなくなり、ハンガーにかけられた洗濯物がぶらさがるようになっていた。当時の父も母もメタボだったな。
※このコラムは特定の健康法やダイエットを推奨あるいは否定するものではありません。