小野寺燃料

札幌の住まいと暮らしの情報誌「Sun Clover」vol.32
健康と平和~巷の健康法を調べてみる~【第21回】

硬貨不硬貨

 和35年生まれの筆者は、畏れ多くも、今年、天皇に即位される方と同い年である。学年は1つ下。だからどうというわけではないが、同じ時代を生きてきた。環境は大いに違うけど、大阪万博は観に行ったが、東京オリンピックの記憶はない。若い頃はダブルのソフトスーツも着たし、周囲に心配されながら遅い結婚もした。

 あの方はやらなかったかもしれないが、この年代の者たちの子供の頃は、年寄りの肩叩きの報酬は1回10円だった。あの方がおじいちゃんおばあちゃんから小遣いをもらったかどうかは知らないが、この年代の者たちの少年時代は、世の中はインフレで、小学校高学年になると1回の肩叩きは100円に高騰し、中学になると小遣いは別の方法で稼ぐようになった。

 「ワンコイン」という言い方がいつから始まったかわからないが、「ワンコインですむ買い物」という感覚はあった。その「ワンコイン」が、子供の頃は10円で、すぐに100円になったわけだ。500円玉が登場するのは1982年で、当時は高額硬貨の感じがあった。まだ大学生だったが、タバコ屋で500円を出すと、ほかのお金で払えと言われたことがある。怪しまれたらしい。


 バブルを経てデフレの時代になると、いつのまにかワンコインと言うと500円を指すようになった。ワンコイン500円のランチもたくさんあるし、札幌市なら歯周病検診だってできる。

 平成になると同時に消費税が導入された。ワンコイン100円だと買いに行っても、3円余分に払わねばならなくなった。『一円玉の旅がらす』は昭和の名曲かと思っていたが、平成2年にNHK「みんなのうた」でかかったようだ。3%の消費税課税で釣銭の1円が不足した時だったから大ヒットした。いまや100円プラス8円であり、今度はプラス10円になるらしい。10円玉は足りるだろうか。

 携帯電話が普及するまでは10円玉は必須だった。バイトの学生に「学生時代、友達が公衆電話で10円玉を積み上げて鹿児島の実家に電話していた」と言ったが、何のことかわからないようだ。我々の時代は、10円玉がなければ、涙のリクエストもできなかったのに。

 気がつくと、街から公衆電話が消えていた。張り込みの途中の刑事が、タバコ屋の赤電話で署に電話しているスキに犯人に逃げられ、慌てて追いかける後姿をタバコ屋のばあさんが驚いて見ている……というシーンは『相棒』には出てこない。水谷豊は『熱中時代・刑事編』ではタバコを吸っていたが、今は紅茶を飲んでいる。平成の半ばで、赤電話もタバコ屋もタバコ屋のばあさんも消滅した。

中川順一
諏訪書房代表、ライター。小野寺燃料非常勤取締役。
1960 年生まれのメタボ中年。

1円を拾ってダイエット

 「落ちている1円玉を拾うと、1円以上のエネルギーを使うから損だ」という話があります。その真偽を確かめたくてネットを検索すると、こういうことを一生懸命研究・計算している人がいます。計算方法は、1円玉を拾う所作を軽いスクワットに見立て、その数秒の運動量を1日の平均摂取カロリーから割り出した値とで比較しています。結論から言うと、拾っても損はしません。  この計算の根拠となる数値は各種統計から引っ張ったもので、通常のスクワット1回の消費カロリーが0.4~0.5kcal、1日の平均摂取カロリーは女性1700kcal、男性2100kcal程度、1日の食費の平均が2222.6円。なので、食費が1日3400円を超える女性、4200円を超える男性の場合は、カロリー単価が高いから、かがんで1円を拾うと損をすることになります。  損するのは嫌ですが、ダイエット的には損すれば痩せます。1円を拾う時は、2回かがみましょう。
※このコラムは特定の健康法やダイエットを推奨あるいは否定するものではありません。