SunClover45号
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本と映画年、地震や台風などの自然災害が増えてきました。いざというときのために、さまざまな準備をしているご家庭も多いのではないでしょうか。もちろん非常時のために特別な準備をすることは大事ですが、近ごろは日常と非常の境界線をなくした“フェーズフリー”という考え方が登場しています。つまり、普段の生活のなかで使用しているモノや、行っているコトが、そのまま非常時でも活用できるということです。“備えない防災”とも呼ばれています。たとえば、いつものお買い物バッグを撥水性と速乾性の優れたものにすれば、いざというときにバケツとして活躍します。リビングのソファに置いているクッションが、開くと実は寝袋になる商品も人気を集めています。またストック食品を日常的に消費し、買い足していく“ローリングストック法”で管理することも、フェーズフリーの一環です。日常のなかでお気に入りの味を見つけておけば、もしものときも好みの食事をすることができます。非常時の備えをしまいっぱなしにするのではなく、普段使いするという考え方。災害のための備えを“特別”ではなく日常にすることで、いざというときに慌てず行動できる安心感もあります。ぜひ、実践してみてくださいね。     近16BOOKS柚月裕子中公文庫参考価格:770円、748円(各税込)MOVIES 埼玉県の山中で、身元不明の白骨死体が発見された。一緒に埋められていた遺留品は名匠の将棋駒。そして同じころ、実業界から棋士に転身した異端の天才棋士・上条桂介が、竜昇戦に臨もうとしていた。真相を追う2人の刑事は、遺留品の持ち主を探り始めるが……。▲ココに注目!………………………………… 息詰まる将棋の対戦が描かれる本作では、壮絶な境遇からのし上がった天才棋士・上条が、人生の局面で将棋を打つ場所や建物がどれも印象的。それぞれの温かい空気、冷たい空気を感じるかのようです。 2006年。シカゴの病院で働くことになった医師ケイトは、湖畔の一軒家から引っ越すことに。郵便物の転送をお願いするため、ポストに次の住人へのメッセージを残す。後日、アレックスという青年から返事を受け取るが、それは2004年、つまり2年前から送られてきた手紙だった……。▲ココに注目!………………………………… 原題が「THE LAKE HOUSE」であるとおり、美しい湖畔の一軒家を舞台に、2年という時間差で手紙をやり取りする男女の不思議なストーリー。一軒家はもちろん、シカゴの建築物も印象的な作品。韓国映画のリメイク版です。イルマーレ 監督:アレハンドロ・アグレスティ出演:キアヌ・リーブス参考価格:1,572円(税込)盤上の向日葵 (上)(下)くらし すまい たてもの人にとって欠かすことのできない「くらし・すまい・たてもの」を通じて、本や映画を紹介します。から見る暮らしにまつわる エトセトラ日常と非常の境界線をなくす

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