小野寺燃料

札幌の住まいと暮らしの情報誌「Sun Clover」vol.29
医療ジャーナリスト・松井宏夫の なぜなに病院ふむふむ医療【第18回】

コンセプトいろいろ 医療モール

最近引っ越したマンションに、小児科、耳鼻科、調剤薬局などが併設されています。集まっているのは偶然ですか?


 ショッピングモールのように、複数の診療所や調剤薬局が配置された形態を「医療モール」といいます。内科や耳鼻咽喉科、婦人科、眼科、心療内科など異なる診療科が集まり、共通の総合受付や待合室を持つところもあります。患者にとっては、そこに行くだけで目的の診療科が見つけやすいというメリットがあります。

 診療所としても、共有スペースを持つことでコストが削減できますし、診療科同士の連携も取れ、患者を紹介し合えるという利点があります。また開設は専門のコンサルタント会社や不動産会社、住宅整備公団などが行うので、医者も開業コストを2~3割ほど抑えることができるうえ、患者を集めるための活動も軽減されます。

 一見、誰にとってもいいところづくしのように見える医療モール。しかし最近では、都心部での乱立が目立ち、ただ診療所を集めただけといったところは運営が厳しくなっています。いくつかの診療所が退去し、〝歯抜け状態〟になっているところもあるのです。

 また医療モールでは、診療科同士で連携が取れるメリットがある一方、共用部で院内感染が起きたときの対処など、複数の診療所が集まることによって起きる問題点も指摘されています。

 近ごろ、そんな医療モールで進められているのが、〝コンセプトづくり〟です。たとえば、大型のマンションに併設し、小児科だけではなく保育所も入っているなど、小さな子どもがいるファミリーも利用しやすい住居一体型があります。

 駅直結型では、通勤や通学、買い物の際に寄れるメリットがありますし、女性をターゲットにした医療・美容融合型は、婦人科や整形外科、皮膚科などの診療科のほか、ネイルサロンやエステサロンが入っているところもあります。

 ただし、こういったコンセプトづくりも重要ではありますが、もっとも大切なのはもちろん、医者の質と技量です。



松井 宏夫 (まつい・ひろお) 1974年、中央大学卒業。日本ドキュメント・フィルム助監督、週刊サンケイ記者を経てフリージャーナリストに。1991年『名医名鑑』を日本工業新聞社から出版。名医本のパイオニアであるとともに、最先端医療など医療全般をわかりやすく解説。テレビの健康番組『みんなの家庭の医学』の監修、ラジオ、新聞、週刊誌、講演などで幅広く活躍している。日本医学ジャーナリスト協会副会長、東邦大学医学部客員教授。2014年10月よりTBSラジオ『森本毅郎・スタンバイ!』内の「日本全国8時です」(毎月曜8:00~)に出演、病気や健康について親しみやすく解説している。

病院・医療については、松井宏夫監修の書籍『最新 病院のすべて 気になる医療業界をまるごと図解』(学研)でもっと詳しく!

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