小野寺燃料

札幌の住まいと暮らしの情報誌「Sun Clover」vol.26
なぜなに病院ふむふむ医療【第15回】

大学病院って どんなしくみなの?

大学病院は『白い巨塔』のように大きなピラミッド型組織というイメージがあります。実際はどんなしくみなのでしょうか?


 医学部や歯学部を持つ大学は、文部科学省が定めた大学設置基準にしたがって附属病院を設置しなければならない。それが「大学病院」です。病院はほかにも、厚生労働大臣が定めた公的な団体を母体とする「公的病院」、公益法人・医療法人・学校法人・社会福祉法人・個人などが開設する「民間病院」があります。

 大学病院の特徴としては、普通の病院で行われている治療(臨床)以外に、教育や研究の役割も担っているということがあります。

 「教育」では、医学生に向けて基礎医学を幅広く教えています。また学部の学生が受ける実習にとどまらず、大学院生や卒業生の研修の場にもなっています。各診療科の長が大学の教授を兼任するシステムをとっている大学は多く、医師の中には大学での講義を受け持つ人もいます。

 「研究」では、最新の治療法などを研究・開発しています。たとえば、まだ承認されていない薬を患者に投与して有効性や安全性を確かめる「治験」を大学病院が行うのも、治療と研究の機能を併せ持っているからなのです。

 皆さんは、「医局」という言葉を聞いたことがありませんか? 大学病院の場合、医局とは単純に医師が集まる場所をいうだけではなく、各診療科の医師たちの集まりを指します。つまり、大学と附属病院をまたいだ人事的な組織を表しているのです。医局のリーダーは、大学の教授でもある附属病院の診療科長です。その教授に連なるように、准教授、講師、助教、研修医というピラミッド型の構造に。トップの教授は治療・教育・研究のリーダーであるだけでなく、関連病院へ医師を派遣する人事権も持っています。

 大学病院の使命は、治療だけではなく、次世代の医師や医療を世の中に送り出すことです。しかし、しばしばドラマや小説でも描かれるように、教授の絶大的な権力により医師の職場選択の自由が奪われかねないこともあり、最近ではこういった医局制度を見直す大学が多く出てきています。



松井 宏夫 (まつい・ひろお) 1974年、中央大学卒業。日本ドキュメント・フィルム助監督、週刊サンケイ記者を経てフリージャーナリストに。1991年『名医名鑑』を日本工業新聞社から出版。名医本のパイオニアであるとともに、最先端医療など医療全般をわかりやすく解説。テレビの健康番組『みんなの家庭の医学』の監修、ラジオ、新聞、週刊誌、講演などで幅広く活躍している。日本医学ジャーナリスト協会副会長、東邦大学医学部客員教授。2014年10月よりTBSラジオ『森本毅郎・スタンバイ!』内の「日本全国8時です」(毎月曜8:00~)に出演、病気や健康について親しみやすく解説している。

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