小野寺燃料

札幌の住まいと暮らしの情報誌「Sun Clover」vol.30
~暮らしにまつわるエトセトラ 25~

呼吸をするようにリサイクル

 いまとなっては聞き馴染みのあるリサイクル(再生利用)という言葉。日本ではオイルショックを契機に使われ始めたといわれています。環境省による報告書「環境白書」には、1980年に登場しました。最近ではリデュース(減量)、リユース(再使用)と合わせて〝3R〟と呼ばれ、国民の意識を高めようと国も積極的に推進しています。

 江戸時代、行商人が天秤棒の両側に豆腐や納豆、魚などの食品や、油や炭などの日用品を担いで街を売り歩いていました。実は、そんな棒手振りには、雪駄直しやちょうちん張り替え、包丁研ぎといったリサイクル職人も多くいたのです。

 リサイクルされたものは多岐に及びます。鍋や窯、キセル、下駄、瀬戸物、傘……桶や樽もタガが外れバラバラになったら〝たが屋〟に依頼します。緊張を解いて羽目を外すことをいう「たがが外れる」の語源ですね。

 ほかにも、拾い集めた紙から再生紙をつくったり、ろうそくの残りカスを集めて溶かし、再度ろうそくにする商人もいました。薪を使い終わったあとに出る灰や、調理の後の生ゴミ、さらに人の糞尿まで肥料として再利用していました。

 「江戸時代の人々はこんなにもリサイクル意識が高かったのか!」と思うかもしれませんが、昔はいまのように豊富にものがない時代。意識が高いのではなく、リサイクルやリユースは日々の習慣、いや呼吸をするくらい自然なことだったのかもしれません。

 ものがあふれ、「修理するより買い替えるほうが安い」現代においては、呼吸のようにリサイクルするのは難しいですね。でも、1人ひとりがちょっとずつ意識していけば、当たり前となる日がいつかやってくるかもしれません。

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