小野寺燃料

札幌の住まいと暮らしの情報誌「Sun Clover」vol.30
Mr.Vee JayのJAZZナビ

Jazz ジャケットの魅力

『 Habanera』
Simple Acoustic Trio

 CDやレコードを選ぶとき、重要になるのがジャケットではないだろうか。試聴できない物は、いわゆる“ジャケ買い”と言うやつで、ジャケットで想像を膨らませて買うしかない。ジャズのジャケットは、人物が映っていない物が多い。特にヨーロッパ系は殺風景な景色や草花がジャケットになっていて、インパクトが無く、いまいち演奏内容と合っていないような気がする。

 レコードジャケットは、壁に掛けても、それだけで一つのアートとして成り得る存在だが、CDになり、そのアート的な価値もコンパクトになってしまった。昨今では、音楽をネットからダウンロードして、ジャケットやライナーノートも無いのが当たり前になりつつあるのが、残念だし無くさないでもらいたい。

 ジャズ批評誌のジャズオーディオ・ディスク大賞の中にジャケット部門があるが、これからも購買意欲をそそる作品を出してもらいたいものだ。

 今回紹介したいアルバムは、ポーランドのシンプル・アコースティック・トリオの『ハバネラ』で、この群青色のジャケットを観たとき、思わず吸い込まれるように見入ってしまい、ついネットで買ってしまった。

 手許に届いたCDは、デジパック仕様で光沢があり、内側の見開きの顔を上げた美少女のジャケットが、またこのCDの期待をそそる。メンバーは全員ポーランド出身で、ピアニストのマルチン・ヴァシレフスキは、24歳の若さでこの完成度の高いアルバムを作ったことになる。

 曲調は、ECM的ではあるが、感情をより表に出した感があり、自分的には好感がもてる作品になっている。この謎めいた、群青色の美少女のジャケットと、シンプル・アコースティック・トリオの静なる感情のほとばしりが融合している。

 炎は温度が上がると赤から青白い色に変化する。シンプル・アコースティック・トリオも正しく、静から動へ、そして美旋律へと青白く昇華していく。

 特に「Tamara」、「Furiozi」、「Simple Jungle」のミハウ・ミシキェヴィチのスティックさばきの切れのいい、ハイハットの音を聴いてもらいたい。

Mr. Vee Jay より


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