小野寺燃料

札幌の住まいと暮らしの情報誌「Sun Clover」vol.27
Mr.Vee JayのJAZZナビ

JAZZとオーディオ①

『HEREʼS TO ZOOT』
HARRY ALLEN

 音楽や音響に興味を持ち始めたのは、小学生用の月刊誌で、学研の『科学』の付録の鉱石ラジオがきっかけだっ た。コイルを巻いて、アンテナは物干しとして使用していた針金を利用し、アースは水道の蛇口に付けて。電池も電 源も無いのにイヤホンから音が聞こえてきたときの興奮は、今でも覚えている。高校生の頃はステレオブームで、3 人に1人はスピーカーとレコードを掛けるコンソールの3つに分かれたステレオを持っていて、ピンク・フロイドやレッド・ツェッペリンを大音響で鳴らして喜んでいた。

 本格的にオーディオを始めたのは就職してすぐで、憧れのスピーカーJBL4312 とパワーアンプは真空管のラックス KMQ60 を感電しながら作った。真空管に赤い光が灯り、アメリカ西海岸から来たJBL から奏でられた音は今も忘れ られない。真空管の魅力は、ビロードのように柔らかで暖かく透明感のある音。以来、真空管アンプにはまり、今 は300Bの球で楽しんでいる。

 先日、静岡の浜松にある日本で最もオーディオにお金をかけているジャズ喫茶のひとつ、トゥルネラパージュに行っ てきた。浜松駅から歩いて10 分足らずのところにあり、店に入ると奥にアバンギャルド製のオールホーンスピーカー システム、Trio+6Basshorn(総額1,800万円)が鎮座していた。壁には'50 ~ '60 年代のレコードがきれいに飾られていて、スピーカーの上は2階まで吹き抜け。このスピーカーを置くために設計されたビルと思われる。

 それは、まるで屋外でジャズライブを聴いているような開放的な見通しのいい音で、音量も絶妙。長時間聴いていても疲れることはない。おいしい珈琲も冷めないようにポットが袋でおおわれていて、店の気遣いを感じた。

 今回おすすめのアルバムは、ハリー・アレンの『HERE’S TO ZOOT』。トゥルネラパージュでリクエストしたが、'60 年代までのレコード・CDしか無く、残念ながら聴くことができなかった。ホーンスピーカーから奏でられるハリー・アレンの吹くテナーサックス特有のジュルジュル感のある音が聴きたかった。特に1曲目の「I Cover The Waterfront」はテナーサックスのリードの振動感が聴ける曲になっている。わが家のオーディオのリファレンス盤として使っている。秋の夜長、ぜひジャズサックスの醍醐味を味わってほしい。

Mr. Vee Jay より


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