小野寺燃料

札幌の住まいと暮らしの情報誌「Sun Clover」vol.26
Mr.Vee JayのJAZZナビ

Jazzボーカルの誘い

『UNFORGETTABLE』 
NATALIE COLE

 ジャズと出会うずいぶん前、テレビがまだそれほど家庭になかった時代。娯楽といえば、映画くらいしかなかった。子供が観る映画といえばディズニーの『ピノキオ』『白雪姫』『メリー・ポピンズ』『シンデレラ』で、今思えば映画の中で“サッチモ”ことルイ・アームストロングが歌うジャズが多く使われていた。

 映画館の音響にまだステレオも普及していないときで、アルテックやJBLの劇場用スピーカーだったのかもしれない。それが最初の等身大の音楽体験だった。それ以来、映画音楽からロック、フォークを経て、ついにジャズに行きつく。

 余談になるが、スタンリー・キューブリック作『2001年宇宙の旅』は、今観ても古さを感じさせない。いまだに時代を超えた傑作だと思う。登場する音楽は、クラシックの「ツァラストラはかく語りき」で、映画の内容とマッチしていた。

 映画で使われていた曲で好きなジャズの曲は、「Smile」だ。もともと、チャップリンの『モダン・タイムス』の中の曲で、チャップリンが作曲したもので、後に歌詞が付けられて、ナット・キング・コールによって歌われ大ヒットした。チャップリンの映画はどれも好きだが、今の時代に観ても楽しくもあり、考えさせられる映画だ。

 今回紹介したい曲は、ナット・キング・コールの娘のナタリー・コールが歌う『アンフォゲッタブル』の中の「Smile」だ。このアルバムは父親であるナット・キング・コールが歌った曲を22曲集めてレコーディングしたもので、内容は単なるヒット曲の焼き直しではなく、ナタリー・コールの個性と実力が表出している。

 バックの演奏もジョー・サンプル、アラン・ブロードベント、レイ・ブラウンと、スタープレイヤーが多数参加している点も見逃せない。できれば明かりを消して星を見上げながら聴いてほしい。

Mr. Vee Jay より


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