小野寺燃料

札幌の住まいと暮らしの情報誌「Sun Clover」vol.30
健康と平和~巷の健康法を調べてみる~【第19回】

愛の水中花

 筋子がうまかったのでもう一切れくれと言ったら、ダメだと妻は言う。それでもう一膳ご飯を食べる気だろうと言うから、そうだ悪いかと言うと、「悪い」ときっぱり言う。塩分摂り過ぎで血圧に良くないし、だいたい炭水化物を摂り過ぎなのだと説教を始める。筋子ご飯をもう一膳食べられなかったストレスで血圧が上がったらどうする。じゃあお前が昨夜、粒あん草餅を2個食ったことについての説明をしろと言おうと思ったが、妻の証人喚問は困難で、証言は拒否され記録は改ざんされるのだろうから黙った。

 腹を立ててはいけない。妻は僕の身体を心配しているのだ。筋子を出さないのも、ご飯の盛りが少ないのも、野菜を食べた後じゃないと他のおかずを出さないのも、ゴミ出してって言ったでしょと言うのも、すべて愛だと考えるのが血圧を上げない秘訣である。これも愛、あれも愛、たぶん愛、きっと愛なのだ。

 大学を卒業したばかりの頃、友達と小旅行をして観光地の神社に参拝した。ガイドが「願い事は一つだけ。複数頼むと何も叶えてもらえませんよ」と言った。「健康、恋愛、お金、何か一つ」と、うるさく言った。神様のマネージャーなのか、あんたは。

 友達はすぐに100円玉を賽銭箱に投げて両手を合わせた。「100円も出して何をお願いしたんだ」と聞くと、「銭に決まっているだろ」と言う。「銭さえあれば健康ぐらい買える」と言いながらショートホープを咥えた。

 僕は10円玉を出して、当時の悩み事であった恋愛とお金の問題解決を願った。ガイドの言った通り、複数頼んだので一つも叶えてもらえなかった。

 友達はその後しばらく貧乏が続いたが、40代半ばで仕事が当たり羽振りが良くなった。でも50歳でがんで死んだ。金で健康は買えなかった。  57歳の僕は、もう神社で「恋愛成就」は願わない。今でもモテたいと思わなくはないが、神様にお願いするほど切実ではない。もっとも切実にお金をお願いしたい時もたまにはあるが、金銭問題を解決してくれるという神様は怪しい。

 では「健康」はどうか。47歳で『愛の水中花』を作詞した五木寛之は、85歳になった去年『健康という病』という本を出し、健康を過剰に気にするのはかえって病気だと書いている。相手にされていないことはわかっているが、我がコラムが批判されている気がした。しかし確かに、健康のことが心配でストレスをためては仕方がない。

 五木は人それぞれの養生法があるとも言っている。それなら筋子を食べるのだってアリだ。これもアリ、あれもアリ、たぶんアリ、きっとアリだろう。

中川順一
諏訪書房代表、ライター。小野寺燃料非常勤取締役。
1960 年生まれのメタボ中年。

水中ウォーキングダイエット

 水中花は水の中の花ですが、水中「歌」ダイエットというのはわかりますか。水の中を歩きながら唄を歌えばダイエットになるというお話です。

 水中ウォーキングがダイエットに有効なことは広く知られていますね。プールなどでの水中歩行は、水の抵抗がかかるので通常の歩行よりも負荷がかかり、脂肪を燃やす状態になりやすく筋力アップにもつながるというもの。抵抗があっても、膝などへの負担が少ないというのもお勧め点です。

 目安はだいたい1時間。案外疲れますし、長時間だと身体が冷えます。20曲ぐらい鼻唄でも歌って歩きましょうというのが、水中歌ダイエット。唄でなくてもいいのですが、なるべくリラックスしてやることが、水中ウォーキングを長続きさせることにつながります。
※このコラムは特定の健康法やダイエットを推奨あるいは否定するものではありません。