小野寺燃料

札幌の住まいと暮らしの情報誌「Sun Clover」vol.28
健康と平和~巷の健康法を調べてみる~【第17回】

間違って覚える

 ずっと以前、中山道を「ちゅうさんどう」と読んだ女子アナがいた。大いに笑ったが、自分だってやっている。「間髪を容れず」は「かんぱつ」ではなく「かん、はつ」が正しいのだと最近知った。このぐらいの間違えは勘弁してもらえるだろうが、調べてみると、間違った読み方がそのまま定着してしまった漢字も多いらしい。「輸入」は元々は「しゅにゅう」、漏洩は「ろうせつ」、杏仁豆腐は「きょうにんどうふ」が本当みたい。だが現在、国語のテストで本当の方を書けば、大抵、不正解となってしまう。世の中は、みんなが間違えれば、それが正しくなるのだ。
 若い頃、年上の綺麗なお姉さんが「私たちダンコンの世代は…」と言ったので驚いた。「団塊」を間違って読んだらしい。もしみんなが間違って覚えていたら、今時の40歳代は「ダンコンジュニア」になるところだった。

 読めるけど書けない字も多い。しかも年々増えている。パソコンや携帯のワープロ機能のせいにしているが、そんなものがなかった国文学科の学生だった30数年前も、憂鬱や薔薇をスラスラ書ける友人は、国語教員の試験を受ける子と暴走族をやっていた奴だけだった。

 歯槽膿漏もその一つで、放っておくと大変なことになる病気だということは子供の頃から知っているから読める。でも、書く練習をせず放っているので、今ここに書け、と言われると自信がない。ソーとノーのヘンが曖昧だ。

 漢字は中国で発明され朝鮮半島を経て日本に来たと言われているが、中国は識字率アップのために漢字を大幅に簡略化した簡体字を使っている。植民地支配から独立建国したという歴史認識の北朝鮮や韓国は、漢字は全く使わずハングルを使っている。北朝鮮では「金正恩」と書いてもほとんど通じないか、わからないフリをされるらしい。そのお名前は、김정은と書いて読む(読めないけど)。

 ソウルの街で突然、秘密警察・国家情報院に北のスパイと間違われて捕まったとする。「違う、私は日本人だ」と言ったら、「日本人なら漢字を書いてみろ」と言われるかもしれない。「金大中」や「中川順一」と書いて釈放してもらえればいいが、「日本人ならシソーノーローを漢字で書け」と言われたらアウトだ。放っておくと大変なことになる歯槽膿漏で苦しまないためには、日頃の心がけが大切だと、歯医者さんも札幌市保健局も言っている。ソーはキヘンでローはニクヅキ。間違えないようにツキヘンと間違えて覚えよう。

中川順一
諏訪書房代表、ライター。小野寺燃料非常勤取締役。
1960 年生まれのメタボ中年

歯周病予防でデブ予防

 歯槽膿漏を含む歯周病患者に共通するのは、「カロリー過剰」「脂質過剰」「たんぱく質過剰」の食生活だという説があります。さらに、ビタミン、ミネラル、食物繊維の摂取が極度に不足している場合も多い、と。繊維質が多い食べ物が少なければ噛む回数も少なく、したがって唾液の分泌も少なく、それが口内環境を悪くし、歯周病菌の温床を作ります。
 以上の観点から「歯周病は生活習慣病」と断言する歯医者さんもいます。
 歯周病予防は毎日の歯磨きのほかに、過剰なカロリー摂取は避け、野菜などの繊維質のものをよく噛んでゆっくり食べる……なんだ、これは肥満予防ではないか、というお話です。
 また、肥満の人の多くは高血圧になりますが、血圧を下げる降圧剤が、副作用として歯肉を腫脹させることがあるようです。生活習慣病の筆頭とも言える糖尿病は、免疫力を低下させるので、これも歯周病に罹りやすくなります。
 歯周病予防とデブ予防、そして生活習慣病予防はイコールということです。
※このコラムは特定の健康法やダイエットを推奨あるいは否定するものではありません。